何が必要?外国人技能実習生の受け入れ準備(生活環境と保険)
目次
外国人技能実習生を受け入れるにあたって、企業側が事前に準備すべきことがいくつかあります。
中でも住居に関することや生活用品に関すること、雇用や健康の保険に関することなどは、日常生活を不便なく営み、技能実習を円滑に行う上で必須となってきます。今回は技能実習生の受け入れにおいて必要なこと、必要なものをご紹介します。
1.住居について
外国人技能実習生の受け入れにあたり、まず住まいが必要です。寮・社宅等の宿泊施設を準備してあげなければいけません。
この宿泊施設は複数人での共同生活が可能です。また賃貸契約は受け入れ企業名義で行うこととなっています。
その他、次のような決まりもあります。
【部屋の広さ】
・1人あたりの寝室床面積は「4.5平方メートル(3帖以上)」とする(6帖部屋で定員2名まで可能)
・一般的な日常生活が遅れる設備が整っている(トイレ・シャワーなど)
【寮費について】
・給与から控除する住宅費は、30,000/月(ただし東京、大阪、京都、名古屋に居住する実習生)を超えないこと(「JITCOお知らせ」2016年7月7日)
・敷金礼金などの初期費用は実習実施者(受け入れ企業)が負担
【水道光熱費について】
・電力会社等からの請求額を当該寮または社宅に住む実習生人数で除した金額を上限として控除
2.生活用品について
実習生が不便なく生活するために、必要な最低限の家電やキッチン用品も受け入れ企業が準備します。新たに購入もしくは従業員等からの中古品提供が可能となります。
主には次のようになります。
【家電品】
洗濯機、掃除機、炊飯器、冷蔵庫、冷暖房、テレビやラジオ など
【炊事用品】
調理器具、食器類、食器洗剤やスポンジ など
【寝具・生活用品】
寝具一式、シャンプー、石鹸、ハンガー、タオル、トイレットペーパー など
【掃除道具】
ゴミ袋、ゴミ箱、雑巾、バケツ、洗剤 など
【その他】
照明器具、テーブルや椅子、自転車、消火器 など
3.通信環境について
インターネットが整備された今の社会においては、Wi-Fi環境の準備も受け入れ時に求められます。技能実習生が母国の家族、監理団体や実習実施者等と連絡をとるため、容量無制限のWi-Fi環境を準備してください。(Wi-Fi使用料は実習生から徴収可能です)
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4.社会保険や労働保険について
日本人を雇用する場合と同様に、技能実習生も労働基準法上の労働者に該当します。そのため受け入れ企業は、技能実習生を社会保険や労働保険に加入させる必要があります。
【雇用保険】
雇用保険は、労働者が失業したり雇用の継続が困難になったりした場合に、労働者の生活及び雇用の安定を図り再就職を促進するために、必要な給付を行うための保険です。労働者を一人でも雇用している事業は、労働者の意思に関係なくすべて適用事業となります。
【労災保険】
労災保険は、業務上の事由や通勤災害による負傷、疾病、傷害、死亡に対して労働者本人やその遺族のために必要な給付等を行うことを目的とした保険制度です。こちらも、労働者を一人でも使用するすべての事業に対し事業主や労働者の意思に関係なく強制的に適用されます。
【国民健康保険と健康保険】
健康保険は、病気やケガ、出産、死亡等によって生じる負担を軽減するための給付を行う強制適用の医療制度です。
技能実習生は入国後1か月間の講習期間中は中長期滞在者として国民健康保険に加入し、講習終了後は、実習実施者が該当する「健康保険」に切り替えをします。講習期間中の国民健康保険は実習生が負担(2,000円程度)します。配属後の保険料額は、事業主と技能実習生で折半となります。実習生負担分は毎月の給与から控除し、その際給与明細書に明示する等の方法で本人に通知します。
【国民年金と厚生年金】
国民年金は、老齢や障害、死亡に関し、必要な給付を行う制度です。日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が対象であり、20歳以上の技能実習生も例外ではありません。入国後講習期間中は収入がないため、国民年金の免除申請ができます。
受け入れ企業へ配属後、厚生年金支払いの義務が生じます。厚生年金の毎月の保険料は、技能実習生と受け入れ企業で折半します。実習生負担分は毎月の給与から控除します。
技能実習生などの外国人は、
・厚生年金保険の加入期間の合計が6か月以上ある
・日本国籍を有していない
・出国から2年以内
などの条件を満たせば、帰国後の申請手続きにより過去3年分遡って脱退一時金を受け取ることができます。
【外国人技能実習生総合保険について】
外国人技能実習生総合保険は、法務省の「技能実習生の入国・在国管理に関する指針」を受け、公的保険を補完する目的で設けられた民間(株式会社国際研修サービス)の傷害保険です。技能実習生の入国から帰国までの全期間をカバーします。
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