より明るい未来のために~確かな経営計画を~

「人はなぜ月へ行けたのか」 皆さまは、こう問われるとどのようにお答えしますか。私も、10年程前のあるセミナーに参加していた時、同じ問いを受けました。「うーん、技術が進歩して・・・」

 

周知のとおり、人類が月へ初めて着陸したのは、1969年、アメリカのアポロ11号です。事実、月への着陸の成功に技術の進歩があったのは当然のことです。しかし、ここでの答えは(10年程前に私が参加したセミナーの講師の答えは)「月へ行こうと思ったから」

会場は、「えっ」といった雰囲気に包まれました。

 

要するに、何かを行う場合、まず第一に、それを行おうとする人が「やろうと思うこと」が大切であるということです。反対に言えば、他人からの「やらされ」の気持ちでは事は成せないということでしょう。

 

ところで、皆さまは、「経営計画」をご存じでしょうか。書いて字の如く、経営の計画を立てることです。銀行で融資を申し込む際に作成が求められることが良くあります。実際に、経営計画を作成していても、その多くが、融資を目的としているのではないでしょうか。

 

しかし、経営計画とは、本来、経営者の方が、それぞれの夢を実現するために作成するものと私は考えます。具体的には以下のようなプロセスになります。

 

1、自分自身の夢、目標を明確にする。そして、「やろう」と思う。それを形にする。(理念、ビジョン)

2、その夢と現実には当然にしてギャップがある。まずは現状をしっかり把握し、ギャップをしっかり認識する。

3、1,2について、「数値」に落しこむ。

4、ギャップを埋めるためには、どのようなことをすべきかを計画し、その結果を数値で追い、さらにギャップを確認する。

 

といいましても、いきなり上記すべてを行おうとしても難しいのは事実です。 

そこで、まず、「現状把握」をしっかり行うことからはじめてはいかがでしょうか。「現状把握」とは「決算」のことです。

 

毎年、税務申告がありますので、皆さまも決算は組んでいます。しかし、もう一歩進んで、経営の状況がどうなっているかを判断する材料として決算を活用してほしいのです。

 毎日現場に追われ、「そんな暇あるか」との声が聞こえてきそうです。

 

しかし、そのような状況だからこそ、会社の「より明るい未来」のために、立ち止まり、経営計画や決算について再度、考えてみてはいかがでしょうか。

 

【税理士法人ティグレパートナーズ東京 中村 哲平】

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