税務署の指摘を受けないために!確定申告の留意点(住宅ローン控除、事業供用資産の処理編)

この記事を書いている3月31日現在、思いも寄らない新型コロナウイルスの影響で所得税の確定申告期限が1ヶ月後の4月16日まで延長となりました。

令和元年の申告期限が未到来のイマこのトキではありますが、令和2年の確定申告にも関係する留意点を二つをお知らせいたします。

 

税務署の指摘を受けないために!確定申告の留意点(住宅ローン控除、事業供用資産の処理編)

 

①住宅ローン控除の上限金額

住宅の新築等に充てるために金融機関等から資金を借り入れた場合に受けられる住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は有名な節税策ですが、取得した住宅に消費税がかかっているか否かで控除の上限金額が変わることがあります

 

「あれ?土地には消費税がかからないけど、建物は消費税がかかるんじゃないの?」と思われる方も多いと思いますが、消費税を納める義務があるのは事業をされている方であり、消費税の対象となるのは事業に関係する取引です。

 

つまり個人の方が自分のマイホームを売った場合に消費税がかかることはないのです。

 

一方住宅を建てて売っている法人などから新築のマイホーム等を買った場合は消費税がかかってきます。

 

後者のようなマイホームの取得を特定取得といい、前者のような特定取得以外の取得と比べて控除の限度額の計算上では最大2,000万円の差が生じます。

消費税がかかっている分、建物本体の対価が高くついていますよね、ということで限度額で上乗せがされているのですね。

住宅に消費税がかかっているかどうかは、売買契約書を見て確認するようにします。実際の控除額の計算においては年末の借入金残高との比較などがありますが、いくら借入を行うかの判断材料の一つとして、覚えておきたいですね。

 

②事業廃止があったの場合の事業供用資産の処理

「オレももうトシだし、年金ももらえるようになったし。そろそろ廃業しようかな」といった場合、それまで事業用に使っていた固定資産などはどうされますか?

モノによっては廃業と同時に売るなどして処分するかもしれませんが、一定の車両であればそのまま家のクルマにする、というケースもありそうです。

後者のような取引を「家事用資産への転用」というのですが、実は消費税の計算上、これは課税売上を立てる必要があるのです

 

「自分の車両を自分の家で使うだけなら対価がナイのに、消費税を納めるのはナゼ?」と感じるかもしれません。

しかし思い出してください、その車両を事業用で買ったとき、その分だけ納める消費税は低くなっているハズです。(原則課税の場合)

廃業時に限らず買うときは事業用の車両なんだ、といって消費税を下げておいて、やっぱり家のクルマにします、というキモチだけで納税がないまま用途の変更をする、そういう取引が何度も繰り返されると、国はその分消費税が取れなくなってしまいますからね。

 

消費税の納税義務がある事業者の場合は、気をつけなければならないところです。

 

 

 

上記2点はニュースなどで課税庁の誤りがあったことが報じられたり、税理士の業界紙などで注意がよびかけられている事象です。

いずれも後から税務署の指摘を受けることがないように、申告の際には注意しましょう。

 

(税理士法人ティグレパートナーズ)

 

 

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