レポート
ティグレ
小規模事業者・中小企業の要望を国へ届けました

2017年12月に、ティグレでは会員の皆様をはじめとする小規模事業者、中小企業のいのちと暮らしを守るために国への要望をまとめ、関係省庁に提出いたしました。
以下はその要旨です。()内は提出先省庁
以下はその要旨です。()内は提出先省庁
要望の内容
▼納税者権利憲章の制定と全員確定申告制度(財務省)
国民が自主的に確定申告をする申告納税制度のもとでは、納税者の協力が不可欠です。主権者たる納税者の権利保障と税務行政の公正な執行のために「納税者権利憲章」を早急に制定することを要望しました。
また、年末調整制度によって申告権を奪われている給与所得者に、「納税者主権」の立場から概算経費率と、実額経費控除の選択制の確定申告権を認めるよう財務省に要望しました。
さらに納税者意識を喚起するためにも全員確定申告制の実現を強く要望しました。
加えて、現行の個人事業主に対する不公平を是正するために「青色申告控除」の拡大や「事業専従者退職金」の必要経費算入を求めました。
▼消費税(財務省)
消費税は中小・小規模事業者には厳しい制度・税制のため、消費税改正にあたり、適切な配慮を求めました。またインボイス導入は事業者への負担が大きいので、補助金を増やすなどの提案を行いました。
▼相続税について(財務省)
事業承継税制という制度があります。世の中の中小企業が次の世代に円滑に引き継がれるのであれば、税額を大幅に減免します、という制度です。
素晴らしい制度ですが、現実には中小企業・小規模事業者にとって、条件が厳しいものとなっております。というのも中小企業・小規模事業者は景気の影響を受けやすく、その煽りを受けて事業規模を維持できないケースが多々あるためです。
その実情を踏まえ、具体的な救済策を設けるなど、中小企業・小規模事業者が円滑に、そして安心して事業承継できる税制を求めました。
▼所得税について(財務省)
外国人労働者に対する期待が高まる中、本来なら規制が緩和されるべきどころか、所得税の扶養要件の厳格化の改正が行われました。大変厳しい条件のため、早急な見直しを強く求めました。
▼建設業における社会保険の「強制加入」の見直しを(国土交通省・厚生労働省)
建設業を管轄する国土交通省は、国の直轄工事に社会保険加入を要件とするなど、社会保険加入を促す取り組みを進めています。
2016年に発表された「社会保険の加入に関する下請け指導ガイドライン」では「建設業における社会保険の加入について、元請企業及び下請企業がそれぞれ負うべき役割と責任を明確にする」と建設企業の取組の指針を目指しています。しかしながら、実態は異なります。
「法定福利費の適正な確保」とガイドラインには明記されていますが、現実には元請負人がこれを尊重せず、法定福利費相当額を一方的に削減する等の、建設業法違反に該当するケースが散見されます。
このように建設業における社会保険問題は、中小企業・小規模事業者にしわ寄せが来ているのは紛れも無い事実です。
政府が推進する建設業における社会保険未加入対策において、建設業の関係団体とのきめ細かな連携の中で、制度の改善をすすめることを求めました。
▼マイナンバー制度について(総務省)
マイナンバー制度の普及促進において、2017年に始まった「マイナポータル」というサイトを通じて、自らの税や年金に関する情報の確認が可能となる計画でしたが、すでに大幅に遅れています。
また、前後して2015年9月の法改正によりメタボ検診情報の管理と予防接種履歴も新たな対象として拡大しています。
マッチングできるデータの範囲が広がれば、プライバシー侵害のリスクは高まります。ですが、現在の個人情報保護法には「被害救済の仕組み」がなく、どうすることもできずに諦めるしかないのが現状です。
予定より遅れているマイナンバー制度の正しい情報の開示と、「被害救済の仕組み」等を含めたマイナンバー制度(番号法)及び個人情報保護法の見直しを求めました。
▼個人保証に依存しない融資制度について(経済産業省)
2014年2月1日より「経営者保証に関するガイドライン」(略称「経営者保証ガイドライン」)が適用されています。金融庁や中小企業庁が各金融機関に求めている指導方針です。
この「経営者保証ガイドライン」は従来の融資慣行の変更を迫るものです。これまで重い保証債務の責任を負ってきた経営者は、その責任から解放される制度として期待されています。
ところが、この「経営者保証ガイドライン」は金融機関にとって負担に感じる内容となっており、まだまだ活用は不十分と言われています。
ティグレでは、この方針を金融庁・中小企業庁から各金融機関に周知徹底させることを求めました。
▼IT導入支援事業の継続について(経済産業省)
2014年10月に小規模企業振興基本法に基づき「小規模企業振興基本計画」(5カ年計画)が閣議決定されました。基本計画内の対策の一つに「ITのさらなる活用」が提起されています。
しかしながら、小規模事業者のウェブサイトの普及率は依然低く推移しております。5カ年計画の「小規模企業振興計画」を実行あるものにするためにも「小規模事業者持続化補助金」を補正予算として組むことを求めました。これにより、小規模事業者のITの普及促進につながることを期待します。
▼外国人「財」の活躍できる社会をめざして(厚生労働省・法務省)
外国人材は日本の経済成長や中小零細企業・小規模事業者の事業発展を支える「財産」です。従って、人「財」として尊重され、就労・起業環境および生活環境を改善し、日本における多文化共生社会の実現を図るべきと考えます。このため、以下、3項目について要望しました。
① 中小企業・小規模事業者等や就労希望者のニーズに応え、「特区」制度も活用し、美容業界や愛知県が提案する「産業人材」等、在留資格のさらなる職種・業種の拡大に取り組むこと
② 外国人が日本の大学や専門学校で学び、卒業後、日本の企業等への就職ができるように取り組むこと。さらに、留学生の在留資格「技術、人文知識・国際業務」への変更許可にあたって、許可基準の明確化と弾力的な運用に努めること
③ 技能実習生の受け入れ期間の延長や、実習に伴う補助金の増額などさらなる制度の見直しに取り組むこと
▼労災保険の「第4種特別加入制度」創設について(厚生労働省)
労災保険は本来、労働者の災害補償を行うものですが、もともとは労働者と変わらない労働実態の中小零細事業主、自営業者やその家族、さらに海外派遣労働者へと特別加入制度が広がってきた経緯があります。現在、労災保険制度には3種類の特別加入制度があります。
「第1種特別加入」は従業員を雇っている中小企業の経営者や家族が対象です。「第2種特別加入」は建設業などの「一人親方」や農業などの「特定作業従事者」が対象です。「第3種特別加入」は海外のテロ事件を契機に海外派遣労働者を対象につくられました。
しかし、製造業や飲食業などの一般的な業種で、家族のみで事業をおこなっている事業所では労災保険に入れないのが実情です。
業種にかかわりなく、事業を行う者が誰でも入れる「第4種特別加入制度」を創設するよう求めます。
国民が自主的に確定申告をする申告納税制度のもとでは、納税者の協力が不可欠です。主権者たる納税者の権利保障と税務行政の公正な執行のために「納税者権利憲章」を早急に制定することを要望しました。
また、年末調整制度によって申告権を奪われている給与所得者に、「納税者主権」の立場から概算経費率と、実額経費控除の選択制の確定申告権を認めるよう財務省に要望しました。
さらに納税者意識を喚起するためにも全員確定申告制の実現を強く要望しました。
加えて、現行の個人事業主に対する不公平を是正するために「青色申告控除」の拡大や「事業専従者退職金」の必要経費算入を求めました。
▼消費税(財務省)
消費税は中小・小規模事業者には厳しい制度・税制のため、消費税改正にあたり、適切な配慮を求めました。またインボイス導入は事業者への負担が大きいので、補助金を増やすなどの提案を行いました。
▼相続税について(財務省)
事業承継税制という制度があります。世の中の中小企業が次の世代に円滑に引き継がれるのであれば、税額を大幅に減免します、という制度です。
素晴らしい制度ですが、現実には中小企業・小規模事業者にとって、条件が厳しいものとなっております。というのも中小企業・小規模事業者は景気の影響を受けやすく、その煽りを受けて事業規模を維持できないケースが多々あるためです。
その実情を踏まえ、具体的な救済策を設けるなど、中小企業・小規模事業者が円滑に、そして安心して事業承継できる税制を求めました。
▼所得税について(財務省)
外国人労働者に対する期待が高まる中、本来なら規制が緩和されるべきどころか、所得税の扶養要件の厳格化の改正が行われました。大変厳しい条件のため、早急な見直しを強く求めました。
▼建設業における社会保険の「強制加入」の見直しを(国土交通省・厚生労働省)
建設業を管轄する国土交通省は、国の直轄工事に社会保険加入を要件とするなど、社会保険加入を促す取り組みを進めています。
2016年に発表された「社会保険の加入に関する下請け指導ガイドライン」では「建設業における社会保険の加入について、元請企業及び下請企業がそれぞれ負うべき役割と責任を明確にする」と建設企業の取組の指針を目指しています。しかしながら、実態は異なります。
「法定福利費の適正な確保」とガイドラインには明記されていますが、現実には元請負人がこれを尊重せず、法定福利費相当額を一方的に削減する等の、建設業法違反に該当するケースが散見されます。
このように建設業における社会保険問題は、中小企業・小規模事業者にしわ寄せが来ているのは紛れも無い事実です。
政府が推進する建設業における社会保険未加入対策において、建設業の関係団体とのきめ細かな連携の中で、制度の改善をすすめることを求めました。
▼マイナンバー制度について(総務省)
マイナンバー制度の普及促進において、2017年に始まった「マイナポータル」というサイトを通じて、自らの税や年金に関する情報の確認が可能となる計画でしたが、すでに大幅に遅れています。
また、前後して2015年9月の法改正によりメタボ検診情報の管理と予防接種履歴も新たな対象として拡大しています。
マッチングできるデータの範囲が広がれば、プライバシー侵害のリスクは高まります。ですが、現在の個人情報保護法には「被害救済の仕組み」がなく、どうすることもできずに諦めるしかないのが現状です。
予定より遅れているマイナンバー制度の正しい情報の開示と、「被害救済の仕組み」等を含めたマイナンバー制度(番号法)及び個人情報保護法の見直しを求めました。
▼個人保証に依存しない融資制度について(経済産業省)
2014年2月1日より「経営者保証に関するガイドライン」(略称「経営者保証ガイドライン」)が適用されています。金融庁や中小企業庁が各金融機関に求めている指導方針です。
この「経営者保証ガイドライン」は従来の融資慣行の変更を迫るものです。これまで重い保証債務の責任を負ってきた経営者は、その責任から解放される制度として期待されています。
ところが、この「経営者保証ガイドライン」は金融機関にとって負担に感じる内容となっており、まだまだ活用は不十分と言われています。
ティグレでは、この方針を金融庁・中小企業庁から各金融機関に周知徹底させることを求めました。
▼IT導入支援事業の継続について(経済産業省)
2014年10月に小規模企業振興基本法に基づき「小規模企業振興基本計画」(5カ年計画)が閣議決定されました。基本計画内の対策の一つに「ITのさらなる活用」が提起されています。
しかしながら、小規模事業者のウェブサイトの普及率は依然低く推移しております。5カ年計画の「小規模企業振興計画」を実行あるものにするためにも「小規模事業者持続化補助金」を補正予算として組むことを求めました。これにより、小規模事業者のITの普及促進につながることを期待します。
▼外国人「財」の活躍できる社会をめざして(厚生労働省・法務省)
外国人材は日本の経済成長や中小零細企業・小規模事業者の事業発展を支える「財産」です。従って、人「財」として尊重され、就労・起業環境および生活環境を改善し、日本における多文化共生社会の実現を図るべきと考えます。このため、以下、3項目について要望しました。
① 中小企業・小規模事業者等や就労希望者のニーズに応え、「特区」制度も活用し、美容業界や愛知県が提案する「産業人材」等、在留資格のさらなる職種・業種の拡大に取り組むこと
② 外国人が日本の大学や専門学校で学び、卒業後、日本の企業等への就職ができるように取り組むこと。さらに、留学生の在留資格「技術、人文知識・国際業務」への変更許可にあたって、許可基準の明確化と弾力的な運用に努めること
③ 技能実習生の受け入れ期間の延長や、実習に伴う補助金の増額などさらなる制度の見直しに取り組むこと
▼労災保険の「第4種特別加入制度」創設について(厚生労働省)
労災保険は本来、労働者の災害補償を行うものですが、もともとは労働者と変わらない労働実態の中小零細事業主、自営業者やその家族、さらに海外派遣労働者へと特別加入制度が広がってきた経緯があります。現在、労災保険制度には3種類の特別加入制度があります。
「第1種特別加入」は従業員を雇っている中小企業の経営者や家族が対象です。「第2種特別加入」は建設業などの「一人親方」や農業などの「特定作業従事者」が対象です。「第3種特別加入」は海外のテロ事件を契機に海外派遣労働者を対象につくられました。
しかし、製造業や飲食業などの一般的な業種で、家族のみで事業をおこなっている事業所では労災保険に入れないのが実情です。
業種にかかわりなく、事業を行う者が誰でも入れる「第4種特別加入制度」を創設するよう求めます。