なく、“人のバトン”である」この本質を見失わないことが、持続的な成長の条件です。今後もM&A市場は拡大を続け、特に事業承継型・小規模M&Aの比重が高まっていくと考えられます。一方で、短期的な利益だけを狙う買い手も増え、統合後のマネジメントに失敗するケースも見受けられます。だからこそ、経営者の皆さまには「自社の価値」を見つめ直し、どんな相手に、どんな未来を託すのか、“ストーリー”を持ってM&Aに臨んでいただきたいものです。事例1地域密着型製造業の“第三者承継”関西の金属加工会社は、創業者が高齢となり、親族に後継者がいませんでした。そこで、地元の異業種企業が買収し、経営資源を引き継ぐM&Aを実施。買い手企業は新たな技術と顧客基盤を獲得し、売り手側の従業員の雇用も守られました。両社の強みを融合し、売上も着実に拡大しています。事例2個人事業主の“ネットM&A”地方のベーカリー店主は、健康上の理由で廃業を検討していましたが、M&Aマッチングサイトを活用して、同業の若手オーナーに事業を譲渡しました。レシピや取引先、店舗スタッフもそのまま引き継がれ、地域の“味”が守られました。譲受側も、既存顧客とブランド力を活かし、売上を短期間で倍増させました。事例3 成長戦略型M&AITベンチャー企業が、地方の老舗印刷会社を買収。印刷会社の営業網とIT企業のデジタル技術を融合し、デジタル印刷やネット通販事業を立ち上げました。両社の経営資源が“掛け算”となり、新規事業も大きな柱へと成長しています。M&Aは「契約」で終わりではありません。むしろ、真価が問われるのは“統合後”です。企業文化の違い、従業員の不安、顧客離れ、これらの壁を乗り越えるためには、経営者自らが「新しいビジョン」を示し、組織を一つにまとめ上げるリーダーシップが不可欠です。実際、成功した企業は、買収後のPMI(統合プロセス)を丁寧に設計し、従業員や顧客とのコミュニケーションを重ねています。「M&Aは“数字の取引”では株式会社ティグレは、中小企業庁の「M&A 支援機関登録制度」に申請し、M&A 支援機関として登録しています。事業承継や企業の成長をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。株式会社ティグレ 取締役羽鳥 崇ののビビジジョョンンににああるる成成功功ののカカギギはは「「統統合合後後」」メメッッセセーージジとと経経営営者者へへのの22002255年年以以降降のの展展望望9
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