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「フットケア」剥はがす働きをもつ酵素と、その働かかとは体の中でも特に角層が厚い部位です。これは、古い角層をきを抑えるタンパク質の量がアンバランスになっているためと考えられています。近年の研究では、年齢とともには今回は、かかとがガサガサになる理由と、「角層が自然に剥このバランスが乱れ、古い角層が肌表面にとどまりやすくなることが報告されています。さらに角層が厚くなると、化粧品の成分が浸透しにくくなり、保湿効果も実感しづらくなるという悪循環に。角質を削ることでも一時的ななめらかさは得られますが、根本的な「角層が剥がれやすい環境」が整っていなければ、すぐに元通り。すべすべとした健やかなかかとをキープするには、日々のケアで角層の自然な代謝をサポートすることが重要です。角層が自然に剥がれるには、主に次の2つの条件が必要です。・弱酸性のpH環境・十分な水分(うるおい)角層細胞同士をつなぐ“のり”のようなタンパク質は、酵素によって分解されます。この酵素は弱酸性でよく働きますが、加齢により肌のpHがアルカリ寄りに傾くと、働きが弱くなってしまいます。また、ターンオーバー(肌の細胞が生まれ変わる周期)が正常に働くことで生じるアミノ酸や有機酸などの代謝物は、肌を自然に弱酸性に保つ鍵になります。つまり「外から弱酸性に変えようとする」のではなく、「内側から弱酸性環境を維持する肌づくり」が重要なのです。熱すぎるお湯やゴシゴシ洗いはNG。弱酸性の洗浄料を泡立てて、指の間までやさしく洗いましょう。角質除去は週1回程度にとどめ、やすりで軽く整える程度に。肌にクリームやオイルを塗布し、やさしくマッサージ。血行が促進されて代謝が整い、ターンオーバーが活性化します。正常に働けば、アミノ酸や有機酸が生まれ、肌の弱酸性環境が保たれやすくなります。ある」と答えた人ほど、「毎日ケアしている」という結果も。「気になったときだけ」のケアではなく、日々の積み重ねこそが健やかなかかとを育てる近道なのです。入浴後の湿ったある調査では、「かかとに自信が1 洗い方を見直す角質ケアは「削りすぎない」保湿とマッサージでターン23 オーバーをサポートなぜ、かかとはガサガサになるのか?角層が自然に剥がれるための条件とは?かかとケアの3ステップ理系美容家 箱崎 かおりPROFILE一般社団法人美容科学ラボ代表理事。物質工学修士。専門学校講師やオンラインサロン運営、美容メディア監修、SNS発信を通じて「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に努める。MAQUIA(集英社)、an・an(マガジンハウス)、『世界はデータでできている』(TV東京)などメディアに多数出演。29気にはなるけれど、つい後回しになりがちな“ガサガサかかと”。皆さんはどのようにケアをしていますか?ある調査によると、ケアをしている人の多くが「クリームを塗る」「角質を削る」といった方法を実践しています。どちらも間違いではありませんが、やり方を誤ると、またすぐに厚く乾いた角質が戻ってきてしまいます。がれる肌環境づくり」について解説します。第15回

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