Plusone648
26/36

世界初の研究開発植物の緑から電気を作る       わりません。しかし、「光合成建「光合成建築」とは、植物の世界と人工物の世界を融合した新しい研究プロジェクト。その理念は、植物は人間なしでも生きていけるが、人間は植物なしでは生きていけないということ。「だから、捨てられている植物からエネルギーと酸素を創出して、自然に恩返しをしたいと思ったのです」と、話すのは摂南大学理工学部住環境デザイン学科の川上比奈子教授。「例えば樹木を伐採したら、幹は使うけれど葉っぱは捨ててしまいます。また、食品ロスをやめようと言いながら、たくさんの野菜を捨てています。そうした廃棄植物を利用して、電気と酸素を供給したいと考えました」。太陽光で発電するシステムというと、シリコン製のソーラーパネルが広く普及していますが、それと異なるところは、ソーラーパネルの場合、屋根に設置しても屋内スペースやインテリアは何も変築」の半透明パネルは屋根だけでなく、窓、壁、ひさしなどにも使えるので、美しい建築空間が実現できるのです(図1)。摂南大学 理工学部 生命科学科教授 松尾 康光氏摂南大学 理工学部 住環境デザイン学科教授 川上 比奈子氏植物の光合成を利用して光から電気を作る技術、それが「光合成建築」。この世界初の技術を研究しているのが、大阪府にある摂南大学理工学部の松尾康光教授と川上比奈子教授です。気候変動が世界的な問題になり、CO2を排出しないクリーンなエネルギー活用が急務となっている昨今、半透明のグリーンのパネルを建築エレメントとして利用することで、エネルギーと酸素、美しい空間を創出することができます。そこで、今回は同大学に両教授を訪ね、開発中の「光合成建築」の利点や将来性を伺いました。「 光 合 成 建 築 」は、建 物が 植 物のように太 陽 光からエネルギーを作る(イメージ)図1 光合成パネルと発電の様子左から松尾康光教授、川上比奈子教授、瀬溝人生特任助教(理工学部生命科学科)編集長が注目する、挑戦の最前線26電極部分(燃料電池)Editor's Pick暮らしに生かす「光合成建築」を開発暮らしに生かす「光合成建築」を開発建築を「建てる」から、建築を「植える」へ建築を「建てる」から、建築を「植える」へ世界初、光合成で電気を作り、世界初、光合成で電気を作り、

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る