スケッチを見れば瞬時にアイデアが湧く「できあがっていく過程が楽しい」いくプロセスも楽しいですね」と語る。コロナ禍ではイベント開催が行われなくなったことで売り上げは7割減と大きな打撃を受けた。「従業員の給料を払うために金融機関から運転資金を借り入れ何とか乗り切りました」と苦難の時期を振り返る。コロナが収束するとイベントも再開され、現在ではコロナ禍前よりも売り上げが増えているという。単に「モノ」としての看板を提供するだけでなく、顧客のビジネスを成功に導くための広告ツールとして看板を捉え、提供していることへの評価の表れなのだろう。事務所の棚には、タラバガニや毛ガニの精巧な模型、茶わんや湯飲みなどの木工品が整然と並べられている。「並んでいるものは普段の仕事から離れて、すべて自分の趣味で作っ立を選ぶことにしました」。独立当初は製作から設営まで一人で全ての業務をこなしていたため休む間もなかったが、丁寧な仕事ぶりが評価され顧客が増えていき、従業員も一人、また一人と増えていった。当初は木工看板だけを手がけていたが、軽くて丈夫なFRPの普及とともにそのニーズが増えてきたため独学でFRPの技術を体得した。「造形で木工とFRPの両方を扱えるところは少なく、差別化になっています」。看板の製造プロセスは、顧客から渡されるイメージスケッチをもとに、素材選びから形の作り込みまで最適な方法を考えながら製作していく。例えば木工製作では、マツを使うことが多いとのこと。「スギの多い本州とは異なり北海道はマツが多く生えており、柔らかくて加工しやすいという特長があります」。また、FRPの造形物を作る場合、発泡スチロールを削り出して原型を作り、その上にFRPを貼り付け、最後に着色塗装をするが、そのほとんどを手作業に頼る。「イメージスケッチを見れば瞬時に『こうしたらいいな』というアイデアが湧いてきます。元来、モノづくりが好きなので、どうすればお客さんに満足してもらえるかを考えてているものばかりです」。カニについては実際のカニから型を取り、トゲや毛の1つ1つまで精巧に再現されている。木工品には漆を塗った作品もあるなど本格的だ。また、作業場の隣の菜園ではトマトやナス、トウモロコシなどが栽培されている。「できあがっていく過程が楽しいんですよね」。手を動かす喜びを心底味わっている様子が伊藤さんの言葉の端々から伝わってきた。有限会社アートワークス手を動かしている時が一番楽しいという23タラバガニ、毛ガニは本物と見間違うほどの出来事業内容 / 屋内外各種サイン製作・施工〒007-0880北海道札幌市東区丘珠町503-31TEL : 011-782-6646TEL : 011-782-6647http://www.artworks-inc.jp/30年にわたる看板製作の実績が認められ表彰された
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