看板製作を通して作り上げる喜びを味わう看板製作から設営まで独立志向はなく成り行きで創業構造部を組み立てる建て方の仕事に従事した。その後クレーン会社で働いていたが、その会社が倒産してしまい、今後の身の振り方を考えるようになった。「会社勤めをしていても、いつどこでどうなるか先はわからない。それならば自分の得意なことで手に職をつけて、楽しく働き続けたい」という結論に達した。小さい頃から絵を描いたり、文字をデザインして描くレタリングを作ったりすることが好きだったため、働きながら夜学で美術系の専門学校に通った。卒業後は、看板製作会社、舞台美術の会社に勤めたが、その会社の経営が傾いてしまい辞めざるを得なくなったためアートワークスを創業した。30歳の時のことだ。「決して独立志向が強いわけではなかったのですが、成り行き上独看板製作業を手がけるアートワークスは、単に看板を作るだけでなく、企画、デザイン、製作、そして会場での設営までを一貫して行っている。看板の素材も木材からFRP(繊維強化プラスチック)まで幅広く扱うことで、顧客からの多様なニーズに応えられる点が強みだ。例えばJリーグのコンサドーレ札幌ファンなら誰でも知っている、札幌ドーム近くに建つFRP製の巨大ユニフォーム看板。ユニフォーム部分だけで縦横7mの大きさがあり、脚の部分を入れると高さ20mにもなる。ユニフォームが波打っている様子を出すために成形型に金網素材を用いることで躍動感を表現した。また、札幌市民の憩いの場である大通公園で開かれる「さっぽろ雪まつり」に出店する企業ブースや、日本最大級のビアガーデン「さっぽろ大通ビアガーデン」のビール会社の会場看板の製作・設営なども担当している。「自分が作り上げたものが皆さんに喜んでもらえることにやりがいを感じます」。伊藤さんは高校卒業後、自動車塗装業に携わった後、大手住宅メーカーに転職し、建物の柱や梁などの主要釣り、菜園など趣味も多い伊藤さん有限会社アートワークス22代表取締役 伊藤 博幸さん東京札幌
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