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「食の欧米化」が発症リスクに影響している可能性があります。大腸憩室がある状態大腸憩室炎の状態Profile 遠藤 俊吾 先生腸内の様子腸内の様子食道肝臓小腸腸内の様子下部結腸S状結腸上部直腸下部直腸赤みを帯びたピンク色で、腸管内壁がなめらかな状態です。従来の内視鏡による検査では、日本人における憩室の保有率は20〜25%程度とされてきました。しかし、私たちの最新の研究では、内視鏡に比べて患者負担が少ない「CTコロノグラフィー」を用いた精密な画像診断により、実際の保有率は48%に達することが明らかとなりました。今回の解析では、従来見逃されがちだった虫垂や終末回腸の憩室も確認することができました。また、S 状結腸に多数の憩室があると、大腸の長さが短縮しているという新たな知見も得られました。憩室形成は腸管の柔軟性や構造に影響を及ぼし得ることを意味しています。大 腸 壁が袋 状に飛び出しており、複数の憩室を持つ場合もあります。大腸憩室に便などが詰まり、炎症を起こした状態。袋状の腸壁は薄いため、炎症が起こると微小な穴が空き、膿が溜まることで重症化します。食生活の変化による、食物繊維の摂取不足、動物性脂肪や赤肉の摂取増加が、大腸憩室の形成リスク因子とされています。憩室形成は加齢現象の一つですが、生活習慣を見直し、バランスの良い食事を心がけることで、 できるだけ予防していきましょう。15胃横行結腸上行結腸直腸S状部回腸盲腸虫垂肛門菅大腸各部の名称と位置福島県立医科大学会津医療センター 小腸・大腸・肛門科学講座 教授。信州大学卒業後、東京女子医科大学第二病院外科に15年、昭和大学横浜市北部病院消化器センターに11年在籍。消化器外科、とくに大腸がんに対する治療の研究に励む。「小さな創で根治手術をすること」、「肛門温存手術で永久人工肛門を造らないこと」をモットーに、鏡視下手術によるがん治療を目指す新しい治療に挑戦している。 大腸憩室炎はどんな状態? 健康な人の大腸 大腸憩室の最新研究 について知りましょう大腸憩室炎

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