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「高級」よりも「心地よい」化粧品を脳と肌に働きかける“快”感情「好き」と思う気持ちが肌を整える「ご褒美美容の美肌効果」ここで言う「ご褒美美容」とは、高級な美容医療やラグジュアリーなアイテムを使うという意味ではありません。たとえば、香りのよいバスソルトでゆっくり湯船に浸かる。好きなテクスチャーのクリームを丁寧に肌にのばす。アロマを焚きながらオイルでマッサージをする。こうした行為は、「自分をいたわる」という“ご褒美美容”のひとつでもあります。注目すべきは、これらの心地よい体験が、肌にまで好影響を与えるという点です。「快」の感情は脳の報酬系を刺激し、幸せホルモンとも呼ばれるオキシトシンの分泌を促します。このオキシトシンは血中を介して全身に届けられ、皮膚にも作用します。実際に肌にはオキシトシン受容体が存在し、コラーゲンやヒアルロン酸などの保湿成分の産生促進、肌荒れ予防、肌バリア機能の健全化といった美肌効果も期待できます。さらに、化粧品に対して「好き」「気持ちいい」と感じること自体にも意味があります。ある研究では、同じ製品を使っていても、心地よさを感じながら使用している人のほうが、そうでない人よりも肌状態が良くなる、というデータが示されており、感情と皮膚の生理状態との関係が科学的に裏付けられつつあります。でなく、内面の心地よさを引き出す習慣として実践することが、持続可能な肌づくりに繋がるのです。の作業で終わらせるのではなく、「気持ちいい」「癒される」と感じる時間を過ごすことが、科学的にも理にかなった“肌に効く美容”の第一歩です。雨のシーズンだからこそ、自宅でできる心地のよいご褒美美容を見つけましょう。つまり、美容は外からの刺激だけスキンケアひとつをとってもただお出かけが面倒になりがちな梅PROFILE一般社団法人美容科学ラボ代表理事。物質工学修士。専門学校講師やオンラインサロン運営、美容メディア監修、SNS発信を通じて「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に努める。MAQUIA(集英社)、an・an(マガジンハウス)、『世界はデータでできている』(TV東京)などメディアに多数出演。そんな日が続くとき、スキンケアもどこか義務のように感じてしまうことはありませんか?毎日を何気なく過ごしていると、忙しさの中で自分のケアを後回しにしがちです。だからこそ必要なのが、「自宅でできるご褒美美容」という考え方です。肌が疲れて見える。気分も上がらない。第14回●快感情がもたらす美肌効果のイメージ理系美容家 箱崎 かおり脳内でオキシトシンを産生全身を循環美肌効果快感情33線維芽細胞肌内の細胞がオキシトシンをキャッチ

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