大切にしている2つのこと製造しているのは、ハイエンドな完成品職場環境づくりで てきた要素技術を生かすことができ、障がい者にとって体の負担が少ない小さな商品であり、さらに流行に左右されない業務用のロングライフ商品は何かと考えていく中で絞り込まれました」。現在作られているのは、漫才の舞台で使われる通称“サンパチマイク”といわれる「Cー38B」や、プロフェッショナル仕様のヘッドホンといった、一つ数万~数十万もするようなハイエンド商品です。「どれを作り、1988年には別府にあっ当初は人数も少なく、本社から部品を無償で支給してもらい、それを組み立てる工賃収入で事業基盤た工場を現在の地に移して規模を広げ、生産品目を増やしていきました。その中には当時一世を風靡した、小型のカセットテープ再生専用機「ウォークマン」もありました。最先端の製品づくりに必要な技術レベルと格闘し、ソニーの技術者から「失敗すればいつでも引き揚げる」という厳しい指導を受けながら技術を磨いていきます。しかし、電気製品は流行があり、それによって売上が左右されます。安定的に収益を確保するためにどのような品目を生産するのがよいかをソニー本社と議論し、たどり着いたのがマイクロホンとヘッドホンの完成品を生産することでした。「培っ「MDRーCD900ST」なども、レコーディングスタジオや放送局などで長年にわたって使われ続けている製品ばかりです。ロングライフな商品だからこそ、ものづくりの現場では蓄積された技術が生かされ、改善もしやすくなり、作業者のスキルも着実に向上して、やがては匠の職人へと成長していくことができたのです」と佐藤氏は語ります。同社が職場環境づくりで大切にしているのは、「障がいのように本人の努力ではどうしようもないところでできないことに対してはサポート、配慮をする一方で、それに甘えることなく本人も努力することによって持てる力を発揮してほしい」という考え方です。1990年頃までは、ベルトコンベアを使った流れ作業でものづくりが行われていました。「ベルトのスピードに合わせて作ればよいので一生懸命ついていく人もいれば、簡単にこなしてしまう人もいます。個人の能ピーク時には20人ほどで組み立て者が部品から完成までを担うセル生産方式に切り替えていき、その人ひとりの力を最大限生かしていから“公平”へのシフトです」。力の差は見えづらいものの、良くも悪くも“平等”です」。その後は、ていたマイクロホンを、1人の作業ために改良を重ねてきました。「1こうという考え方で、いわば、“平等”ソニー・太陽ではこの手法を「インクルーシブデザインセル」と名付け、売上も大きく伸ばしていきました。こうした取り組みが評価され、2007年には経済産業省主催の「ものづくり日本大賞」コンクール生産プロセス部門で優秀賞を受賞しました。レコーディングスタジオや放送局から高い評価を得てきたハイエンドのヘッドホン31「全ての社員がいきいきと活躍できる世界を実現したい」と語る西島社長会社の歴史や商品を紹介するショールーム
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