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産地ごとの味わいの違いを楽しむカカオと石と人の出会いの場に「石挽きチョコフィナンシェ」。発売以標榜したのは「Beantoなわちカカオ豆 Bar」。す(Bean)から板チョコレート(Bar)ができるまでの全工程を自社で一貫管理するクラフトビールのような製造スタイルだ。「当店では植物油脂を加えず、カカオ豆ときび糖だけでチョコレートを作るので粘度が高い分、型に収まりにくく効率は悪いのですが、産地による豆の味わいの違いも感じていただきやすくなります」。主力商品の「石挽きチョコレート」は、ガーナ、ペルー、コロンビア、ベネズエラ、ソロモン諸島と産地ごとに5種類をそろえ、酸味や苦みなど、それぞれの異なる特長を楽しむことができる。また、カカオ豆を短時間で挽いて作る「粗挽きチョコ」はザクザクの食感が好評だ。2023年2月には2号店を岡山駅に近い都心部の複合商業施設にオープンした。壁材や床材、そしてカウンターに、ふんだんに花崗岩が使われているのも石材店ならでは。店では、できたてのチョコレートや石挽きチョコアイス、ホットショコラなどを共用イートインスペースで食べることができる。人気メニューの「挽きたてチョコレート」は熟成をしていない分、酸味が強いが、さわやかな味わ「ヨーロッパへ視察に行った時に、あちらではホームパーティーにお花とチョコレートとお酒を持っていく習慣があることを知りました。うちのチョコレートがそのような日常使いでも愛されるような存在になれたらいいですね」。石材店の特長を生かして、まったく異なるチョコレート分野に参入したイシヤマユウエン。さらに新しい切り口を探っていく松村さんのチャレンジはこれからも続いていくだろう。いでコーヒーとの相性がいい。また、2号店をきっかけにチャレンジしたのがコラボ商品だ。「1号店では工房で作れるものだけを提供していたのですが、2号店出店を機に、近隣の洋菓子店とコラボしてガトーショコラなどの焼き菓子を作ってもらっています」。一番人気は来3万個を販売するヒット商品に育っている。店名についている「issai(いっさい)」は、石材の基本的な体積の単位を意味する。「一辺が一尺(約30・3センチ)の立方体を業界では“一才”と呼んでいます。3つの辺はカカオと石と人。その出会いの場になればという思いを込めています」。最近では広島県発祥の老舗食品メーカーの焙煎ごぼう茶葉を使ったチョコレートを作ってほしい、との依頼に応え「ごぼうチョコレート」が誕生。カカオ豆の代わりにごぼう茶葉を使い、カカオバターと和三盆糖でまろやかな味わいに仕上げ、チョコレートの新たな可能性を広げている。イシヤマユウエン合同会社産地違いの5種類をそろえた「石挽きチョコレート」23人気メニューの「挽きたてチョコレート」事業内容 / 食品製造販売〒714-1201岡山県小田郡矢掛町矢掛3074-1TEL : 0866-63-4245https://ishiyamayuen.jp/

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