Plusone647
17/36

気分の状態気分の状態気分の状態気分の状態Profile 関口 隆一 先生抑うつ状態混合状態一般社団法人楓会 新狭山かえでクリニック院長医学博士 精神保健指定医 日本精神神経学会専門医東京都出身。埼玉医科大学大学院修了。同大学附属病院 神経精神科 助手を経て、埼玉県へ入職。埼玉県立精神保健福祉センター長を退任後、現職。趣味は音楽鑑賞(ロック、ソウル、ジャズなど)と楽器演奏(エレキベース、エレキギター)。・ 気分が高揚して活動的となり、機嫌がよいこともイライラすることも・ 睡眠欲求が減り、あまり眠らなくても元気・ 思考が次々浮かび集中困難になる・ 浪費、性的活動の増加、人間関係のトラブルなどを起こすことがある双極性障害では「躁状態・軽躁状態」と「抑うつ状態」という極端な気分変動が繰り返し出現します。一般に、抑うつ状態の方が躁状態よりも起こりやすく、かつ長期間続く傾向があります。気分エピソードの合間には、本来的な気分レベルである「寛解状態」に戻ります。躁状態の程度により双極Ⅰ型障害と双極Ⅱ型障害に分けられています。双極Ⅰ型障害躁状態うつ状態うつ状態・ 気分が落ち込み、興味や楽しみが失われる・ 不眠、食欲低下だけでなく、過眠・過食といった非定型の症状も出る・ 重症化すると動けなくなり、体のだるさや痛みなどの身体症状を伴う双極Ⅱ型障害軽躁状態うつ状態うつ状態・ 抑うつ状態と躁状態の特徴が同時期に表れる・ 抑うつ的な思考や気分の低下と、躁 的な行 動や衝 動 性が同時に生じ、死の考えや絶望感が行動として表れることもある治療では、極端な気分の波を和らげるだけでなく、できるだけ長く寛解期を維持することを目指します。そのために、軽躁状態躁あるいは抑うつ状態のときだけでなく寛解状態にある時も服薬を継続することが大切です。適切な治療を受け続けることで気分エピソードをコントロールし、安定した社会生活・日常生活を送ることが可能となります。 “ 双極性障害 ”の症状 躁状態・軽躁状態 “ 双極性障害 ”のサイクル 躁状態通院治療を継続するための「自立支援医療制度」を活用しましょう。精神科医療機関への通院や調剤薬局での医療費が対象です。申請方法など制度の詳細は市町村の担当窓口にお問い合わせの上ご確認ください。17について知りましょう双極性障害

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る