新たに不動産業にも進出で、普段思っていることも社員に対してはっきり言えずにいたのですが、そのせいで社員の中に甘えが生じていました。そこで、社員にとって耳の痛いことでも思い切って言うように意識を改めました」。また、自分の考えを伝え、社員からの意見を吸い上げる場として、週に1回朝礼を開催するとともに、月に1回、営業、工事部門それぞれで会議も開くようにし、あわせて社員にも、研修、セミナーなどを積極的に受講してもらうようにした。丹下さんは今「塗装と内装リフォームの2事業で松原市内地域一番店になる」ことを目標に掲げている。塗装業では、2018年に国内最大規模の外壁塗装の全国ネットワーク組織「プロタイムズ」に加盟。あわせて近隣エリアにチラシのポスティングを行うなどして、認知度の向上に努めてきた。同じエリアに内装リフォームのチラシのポスティングも行っている。「当初は数万枚配布して、1、2件問い合わせがあればよい方だったのですが、現在は塗装、内装リフォーム合わせて30~40件の問い合わせをいただくようになり、地道に続けることの大切さを感じています」。また、地域で開かれるマルシェなどのイベントへの出店、協賛も行っている。2024年からはトイレやコンロなど水洗・キッチン用品の販売も始めた。「小さな工事からお客さんを増やしていくことで、塗装や内装リフォームなどの仕事にもつながっていけば」と期待を寄せる。施工において特に留意しているのは品質の確保だ。「今の時代は、たった一つの工事でも不具合を起こせば、ネットですぐに悪い評判が広がり、会社の経営を揺るがすような事態になりかねません」と危機感をあらわにする。そのために工事を終えた後にチェックリストに基づいた厳しい検査体制を整備しているという。こうした取り組みの成果もあって、2023年には初めて高校新卒社員の採用に挑み、営業担当者、SNS担当者計4人を採用(うち1人はその後退職)し、新たな一歩を踏み出すことができた。これら若手社員も着実に戦力となっており、SNSを活用した情報発信チコミの数を積極的に増やす取り組みも行っている。「できることはすべて取り組み、口酸っぱく言い続けて徹底している」と丹下さん。2017年からは公共工事にも積極的に参加。2019年には事業規模の拡大に伴い、新たに特定建設業の許可も取得した。さらに2022年には不動産業の許可も取得するなど業容の拡大も図ってGoogleクいる。「家の工事に関わる仕事をしていると、新たに家を建てるために土地を探しているといった話や、住宅を売りたいといった相談も舞い込んできます。そうした情報を得られる立場にある強みを生かしたい。関わりのある職人さんの活躍の場を増やすこともできる」とその意義を説く。塗装業という祖業を軸に周辺事業を肉付けしてきた丹下工業がさらにどのように成長を遂げるのか、楽しみは尽きない。若手社員もしっかり戦力として育っている23丹下工業株式会社事業内容/総合建設業〒580-0033大阪府松原市天美南5-22-12TEL : 072-333-6701FAX : 072-333-7259https://www.tange.co.jp/2階のショールーム。明るい内装で相談しやすい雰囲気を醸成しているや
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