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求められることになります。一方、高齢労働者の増加により、短期間休めば回復する程度の事故であったものが、骨折するなどの大事故に発展するケースも散見されます。また、外国人労働者においては危険作業に関する教育を行っていても言葉の壁で理解が得られておらず、大事故が発生するといった事例も報告されています。業務災害が発生してしまうと、労働者の人生に大きな影響を与えることはもちろん、会社も経済的な負担を負うことになります。特に高齢労働者においては、通常であればつまづかないような段差につまづき手をついて手首を骨折する事例や、外国人労働者では日本語で注意喚起を行っていたが理解されておらず、コンベアに巻き込まれる事例なども報告されています。高齢労働者の動作特性を考慮し、可能な限り段差をなくす改善や、重量物を運搬するための補助器具を用意するなどの作業環境整備を行うこと、また、外国人労働者に対する安全教育は「はさみの法則」(はっきり、さいごまで、みじかく)に沿った“優しい日本語”で行うなどの対策が有効と考えられます。とは不可避です。健康で長く働くことができる環境を整備することで労働者の安全を守ることは、結果として会社を守ることにつながりますので、積極的に職場環境整備に努めて頂けましたら幸いです。人手不足が今後ますます進むこ本号の結論業務災害防止で会社を守る19スライド 2業務災害や通勤災害(以下、業務災害等)により療養するときの治療行為に要する費用を、労災指定病院であれば現物給付、それ以外であれば費用を支給する。業務災害等による傷病の療養のため働けず、給与をもらえないときに休業4日目以降、給付基礎日額の60%を支給する。なお、療養開始後1年6か月が経過してもなお治ゆ(症状固定)せず、傷病等級に該当する場合には傷病(補償)年金として支給される。業務災害等で傷病が治ゆ(症状固定)した後に障害が残り、障害等級が1級から7級に該当すれば年金として、8級から14級に該当したときは一時金で支給される。業務災害等で労働者が死亡したとき、遺族(補償の対象となる遺族)の人数に応じて原則年金として支給されるが、対象遺族がいないときは一時金で支給される。礎日額の60日分を最低保証として支給する。傷病(補償)等年金または障害(補償)等年金を受給する者のうち1級の者等であって、現に介護を受けているときに支給される。直近の定期健康診断等(一次健康診断)で①血圧・血中脂肪・血糖・腹囲またはBMIの測定のすべての検査で異常の所見があると診断され、かつ、②脳血管疾患または心臓疾患の症状を有していないと認められる場合に、二次健康診断と特定保健指導を行う。休業4日目から休業1日につき算定基礎日額の20%相当額を支給する。障害の程度によっては100万円~114万円の一時金等が支給される。障害の程度によって、特別支給金(159万円~342万円)や年金に算定基礎日額の131日分~313日分を加算して支給する。原則として一律300万円が支給される。 遺族特別年金に対しては、遺族(補償の対象となる遺族)の人数に応じて算定基礎日額の153日分~245日分を加算して支給する。保険給付の種類療養(補償)等給付休業(補償)等給付傷病(補償)等年金障害(補償)等給付遺族(補償)等給付葬祭料(葬祭給付)業務災害等で労働者が死亡し、葬祭を行うときに給付基介護(補償)等給付二次健康診断等給付 人口オーナス(労働力人口が少ない)の日本では、働き手が今後ますます減少していきます。労働者が今後も「安全に」「健康で」「長く」働くことができる環境を構築することは、結果として会社を守ることに直結すると考えられます。また、外国人を採用したいと思っても、労災事故が多い会社は選ばれない可能性があります。業務災害で貴重な人材を失うことのないよう、職場環境の改善に努めていただけましたら幸いです。支給内容特別支給金主な労災保険の給付内容

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