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「脳梗塞」は「くも膜下出血」、「脳出血」に並ぶ「脳卒中」の一種です。脳卒中は日本人の死亡原因の第4位となっていますが、中でも「脳梗塞」はその約74%の発症率を占める、いわば国民病の一つです。早期治療が非常に重要ですが、突然発症するため、予防策と症状を知り、万が一に備えましょう。急性期の血行再建術の進歩により早期に対応することで脳梗塞の範囲をより小さくできる可能性があります。具体的には、発症から4・5時間以内であれば、血管を再開通させる目的で血栓を溶解する薬剤(tPA)を使用することがあります。また、もう一つの選択肢として、カテーテルと呼ばれる細く長い管を脳の梗塞部まで誘導し、梗塞の要因となっている血栓を回収する手術(脳血管内手術)があります。ただし、tPAや脳血管内手術を行うためにはそれぞれ適応基準があり、すべての人がそれらの治療を受けられるということではありません。脳梗塞は身近な病気である一方で、いざ当事者になると、冷静に判断することは容易なことで第11回脳梗塞脳梗塞は、何らかの要因によって脳の血管が詰まったり細くなったりすることで血流が滞り、脳の細胞が壊死してしまう病気です。血管が詰まった脳領域によって、麻痺や言語障害などの後遺症が残る場合があります。脳細胞は一度壊死してしまうと元に戻ることはないため、一度発症すると後遺症と長く付き合っていくことになります。脳梗塞は、突然に発症する特徴があり、症状が出たら可能な限り早期に治療する必要があります。脳梗塞の発症機序は、まず血管壁にプラークと呼ばれるコレステロールの塊が形成され、それが破綻すると血小板が凝集して血管が閉塞する「血栓性」、不整脈などによって発生した血液の塊が詰まる「塞栓性」、血圧の低下や脱水症が原因で脳血流や血流の分布に異常をきたすことで脳梗塞を惹起する「血行力学性」の3つがあります。主な要因は「遺伝因子」と「生活習慣」で、特に生活習慣病のある方は要注意。生活習慣病は脳梗塞発症の原因となるばかりか再発の要因ともなるため、治療と同時並行で生活習慣の改善指導も行われます。例えば、高血圧の方であれば降圧剤などの血圧管理、食事や運動療法など。脳梗塞は50、60代以降に発症することが多いですが、その前から発症準備状態が始まっていると言えます。1日でも早い生活習慣の改善が必要です。脳梗塞は発症後の早期治療の有無で、後の症状に雲泥の差があると言われています。最近では、はありません。「片側上肢の脱力または麻痺」「言語障害」「顔面の左右差(片側麻痺)」の症状が一つでもあれば、脳卒中と診断される確率は約72%と言われています。あらかじめ家族や身近な人と話し合い、これらの症状が少しでも見られた場合には、迷わず救急車を呼べるように準備をしておきましょう。(東京都江東区)22健健康康相相談談室室池田 尚人 先生昭和大学江東豊洲病院脳梗塞は早期治療と予防が重要。脳梗塞は早期治療と予防が重要。病気を知って万が一に備えましょう。病気を知って万が一に備えましょう。

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