Plusone632
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岸 岸  岸 橘 橘 橘 6岸 橘 トライアンドエラーでイノベーションに挑む外部環境を言い訳にしない経営を政府は総合経済対策の中で中小企業支援策にも力を注いでいます。ただ、コロナ関連融資で持ちこたえていた中小企業・小規模事業者の体力も、その返済が始まれば非常に苦しくなることは目に見えています。それらの政策をフルに活用するとしても、政策にいつまでも頼っているようでは先行きはさらに厳しくなるとみています。うか。迷したままでした。大企業の経営者はこの期間、「デフレから抜け出せない」「先行きが見通せない」という言い訳に終始し、業績が低迷している理由を外部環境のせいにしてきたのです。外部環境が悪くても成果を出していくのが本来の経営者の務めでなぜそのように思われるのでしょ過去30年、日本の景気はずっと低はないでしょうか。しかも大企業は500兆円もの内部留保を抱えこんで、まともな投資をしてきませんでした。同じ時期に、米国、欧州、中国、韓国の企業は何をしたかというとグローバル化を進め、デジタル化への投資を一気に進めたのです。そしてビジネスモデルをどんどん変えて、環境の変化に合わせて企業自身も進化をしていったのです。このように、大きな変化に対して企業をどう進化させるかを考えるのが真の経営者です。日本の経営者に対しては「本当にこれまで経営をしてきましたか」と問いたい気持ちです。まずはどのようなことに取り組むべきでしょうか。労働生産性を上げるということは、わかりやすく言えば、投入したインプット(経費)に対していかにアウトプット(売上)を増やすかということです。経費を抑えるにはデジタル化が有効ですし、売上を増やすにはイノベーションを起こさなければなりません。ティグレでは、会計のDXの一環として、帳票を自動で読み込みできるソフトや、自動的に仕分けから決算書を作成できるシステムを提供しようと考えています。これにより会計事務の大幅な効率化につながればと考えています。イノベーションに関してはどのように取り組めばよいでしょうか。業種、個々の会社によってもイノベーションの着眼点は異なるので一概には言えませんが、イノベーションは、世の中に存在するものの新しい組み合わせ、すなわちニューコンビネーションから生まれます。例えば飲食業であれば、東京の飲食店は世界一おいしいと世界中の人たちから言われており、ポテンシャルはあるわけですから、それぞれの切り口で新しい組み合わせはいくらでも考えられるはずです。もちろん、それを成功させるにはトライアンドエラーを繰り返しながらチャレンジしていくことが大事です。中小企業・小規模事業者ほどオーナーが決めさえすれば物事を速く進めやすいのでチャンスはあると思います。要はしっかりとやり切れるかどうか。たいがいの経営者はやる前にあきらめているのが現実ではないでしょうか。大阪府松原市出身、1979年に中企連(現ティグレ)松原事務所に入社後、業務部長や大阪の堺支店長を経て、2015年に取締役就任。2017年からティグレグループ代表として、ダイバーシティ経営を軸に、人材育成と人財活用の組織再編を行い、多様なキャリアプランの育成システムの整備で業績及び雇用を拡大。また、ICT推進による事業の効率化の達成ならびに生産性の向上に取り組む。橘 悦二 (たちばな えつじ)ティグレグループ代表

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