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:0国連の専門家によって定められ、2001年より15年間にわたって取り組まれた「ミレニアム開発目標(MDGs)は、「極度の貧困と飢餓の撲滅」「疾病対策」といったゴールにおいて一定の成果を上げたが、未達成の課題も残され、達成度合いは地域でばらつきがあった。そこで、国連加盟193カ国による政府間交渉にNGOや民間企業も参加し、2012年6月にリオデジャネイロで開催された「国連持続可能な開発会議」において提唱されたのがSDGsだ。2030年までに達成すべき目標として17の目標、169のターゲットが設けられている。SDGsに対する認知率の調査(電通)では、2018年の認知度は14・8%にとどまっていたが、2022年には86・0%にまで高まっている(図表1)。「私がただ中小企業と接してきた体感では、どう取り組んでいいかわからない、取り組んでどのような効果があるのか、といった声がまだまだ多いのが実状だ」と水上氏は言う。2050年には世界の人口が100億人を超えると予測されており、そのためには地球3個分の資源が必要だと国連は警鐘を鳴らしている。それだけにSDGs達成のためには企業の参画が必須であり、企業にとっては「大胆かつ変革的な手段をとること」がSDGsのアジェンダ前文には記されている。これまでは社会や環境の課題を解決するためには経済活動を犠牲にしなければいけないという考え方が主流だったが、SDGsにおいては、経済・社会・環境という3つのバランスをもとに持続可能な社会を目指している点が特長だ(図表2)。「CSR活動の多くは、投資をはじめ本業と区別した活動が多く見られたのに対し、SDGsにおいては本業のサプライチェーンに即した環境や社会問題など様々な課題解決をビジネスに結びつけることが求められている」と述べる。SDGsにビジネスのヒントが隠されている事例の1つが目標12の「持続可能な消費と生産を確保する(つくる責任、つかう責任)」の3つ目のターゲットであ多様な主体が参加してつくられたSDGsSDGsにビジネスチャンスを見出す図表1 SDGsの認知率出典:株式会社電通Webサイト 第5回「SDGsに関する生活者調査」(電通Team SDGs) 内容まで含めて知っている内容はわからないが名前は聞いたことがある第1回調査(2018年2月)第2回調査(2019年2月)第3回調査(2020年1月)第4回調査(2021年1月)第5回調査(2022年1月)08040計86.0%100%第4回内容理解計(%)調査期間2021年1月第5回内容理解計(%)調査期間2022年1月全体10代20代30代40代50代60代70代SDGsSDGsは今や中小企業にとっても避けては通れないテーマとなっている。うまく対応すればビジネスチャンスが広がる一方で、対応を怠れば調達先から排除されるおそれもある。SDGsを取り巻く現状と、中小企業にとって事業や組織の強化につながるチャンスともなるSDGsへのアプローチについて、一般社団法人SDGsソーシャルデザイン協会理事の水上ただし氏に聞いた。10.020.534.2203.611.1計14.8%4.2:11.8計16.0%19.1計29.1%33.8計54.2%51.86020.534.225.031.531.432.433.622.621.118.713.537.99.031.31020304038.652.55060%16NEWS 03ビジネスチャンスや組織の強化につながるビジネスチャンスや組織の強化につながるSDSDGsGs

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