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日本の高齢化率(全人口に対する65歳以上の人の割合)は2022年9月高齢化率が高くなると要介護人数が増えます。厚労省によれば2022年2月現在で要介護・要支援認定者は689万人に上ります(図表1)。認定を受けていない人を含めると700万人以上存在すると思われます。中小企業経営者のピーク年齢は68歳に達しており、まもなく全国で30万人の経営者が70歳を迎えます。中小企業経営者のマジョリティが高齢者になっているのです。こうした状況で「現役経営者・社員とその家族」が認知症になるケースが増えています。仙台市で酒屋を営んでいるある女性経営者は、12年前に社長だった夫が心筋梗塞で急死、主婦だった彼女が急きょ経営者になる羽目になり、人生が激変しました。その後、義理の母が認知症になり、会社経営のかたわら6年半介護をせざるを得ず、大変なご苦労をされました。また、創業30年の会社の創業者が認知症になり、事業承継で苦労された例もあります。会社経営に関することが創業家以外に共有されておらず、資金調達や取引決済に大きな障害が発生しました。このように中小企業の場合、経営者・社員とその家族が認知症を含む要介護状態になると、大企業の場合と比べて会社経営への影響が大きくなります。したがって、中小企業こそ経営者・社員とその家族が要介護になるリスクを減らすことが重要です。国民生活基礎調査(2019年)を見ると、要介護になった原因の構成割合は、実は男女で異なることがわかります(図表2)。男性は脳血管疾患(脳卒中)がいちばん多く、次いで認知症が多い。女性は認知症と骨折・転倒、関節疾患でほぼ半数を占めます。認知症の約3割“超高齢社会”では要介護が中小企業の経営リスクになる要介護状態になりにくい生活スタイルがスマート・エイジング中小企業経営者を守る「スマート・エイジング」の秘訣第1回図表1 年々増える要介護・要支援者要介護・要支援認定者数の推移万人80070060050040030020010002000年 01年 02年 03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年要支援1要支援2計画的要介護要介護1要介護2要介護317.5%15.0%12.5%10.0%7.5%5.0%2.5%0.0%要介護4要介護5要介護認定者等の割合出典:厚生労働省「介護保険事業状況報告月報(暫定版)」平成12年4月分~令和3年2月分図表2 介護が必要になった原因:男女別出典:厚生労働省 2019年国民生活基礎調査スマート・エイジング15日現在で29・1%であり世界一です。要介護・要支援者数 689万人(2022年2月現在)14脳血管疾患(脳卒中)その他31%26%認知症14%関節疾患4%心疾患(心臓病)高齢による衰弱6%骨折・転倒 5%その他20%心疾患(心臓病)4%脳血管疾患(脳卒中)11%関節疾患14%11%認知症19%高齢による衰弱14%骨折・転倒16%NEWS 02NEWS 04男性女性

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