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抑えることで黒字化を達成することができています。このように、毎日発生する数字と向き合うことで、早いサイクルでPDCAを回すことができるのです。飲食店を始める前に、「飲食店の経営指標」をしっかり理解しておくことは重要です。飲食店に最低限必要なものは「食材」「人」「店舗」の3つ。この前提をもとに、飲食店の経営指標となる数値を設定する必要があります。上の表をもとに、各項目の数値設計をしてみましょう(図表2)。【手順】❶売上目標は最低賃料の10倍を設定❷FL比率60%以下になるように設計❸FLR比率70%前後になるように設計❹営業利益率10%〜15%で設計売上目標や諸経費の数値設定はなんとなくで決めてしまいがちですが、目標数値に根拠を持つことで改善点が明確になり、業務改善に繋げやすくなります。売上目標を立てることができたら、次は売上アップのための戦略を考えましょう。売上は「客席数」「回転率(集客)」「客単価」「営業日数」の掛け算で算出することができます。多くは「集客」に目が行きがちですが、売上を伸ばすことができている店舗が必ず着目しているのは「客単価」。理由は2つあります(図表3)。一つは、即効性があるためです。例えば特別メニューを作ったり、接客の品質を上げお客様に一声かけたりなど低リスクで早期にリターンを得ることが可能です。もう一つは大手チェーン店との価格競争を回避するためです。客単価を下げ、集客を伸ばすのはまさに大手の戦略。小規模店舗が集客で大手に勝つことは困難です。付加価値を付けることで差別化を図りましょう。これらの理由から、売上を伸ばすための戦略は「客単価向上」を考えるのがセオリーと言えます。飲食店の売上を伸ばすためには「集客」も重要です。様々な戦略がありますが、最も優先すべきは表看板(ファサード)とリピートの促進です(図表4)。表看板は、いわば店の顔。お客様が「入りたい」と思える外観であることが重要です。またリピート促進も重要事項です。リピート客を獲得しないと、常に新規客を入れ続けなければいけません。リピート促進のためには接客もさることながら、お客様の期待以上のサービスを提供することが重要です。お客様は何を楽しみにお店に来るのか、「来てよかった」と思ってもらえるための一工夫に頭を悩ませましょう。今日は、飲食店を始めるための基本となる要素をご紹介しました。次回もお役に立てる飲食店経営の情報をお届けします。お楽しみに。高中中高高高中中低※業種、業態によって適正値は異なる。両方とも大切だが、客単価を上げる方が基本的には優先度は高い! 図表2 飲食店の経営指標内容 図表4 売上アップの優先度詳細目標目安24%~35%24%~34%良い:55%以下目安:60%以下悪い:65%以上10%〜15%70%~75%賃料×10倍以上要検討キャロット株式会社 代表取締役社長嶋田 光宏フランス料理人として星付きレストラン2店舗で修行を積んだ後、営業職にキャリアチェンジ。コンサルティング企業での業務経験を経てコンサルタントとして独立。「飲食店の成長戦略を共に描く」を理念にキャロット株式会社を設立し、自社プロダクト(業務用EC事業)や食品EC・飲食店の経営支援、マーケティングコンサルティングに務める。13売上客席数  回転率(集客)約306万円 =28席   ×回転率か客単価のどちらかを改定約350万円 =28席   × 図表3 小さい店舗の売上アップのポイント客単価1.2回転×3,800円×24日お客さんを増やして回転数を上げる客単価を上げる工夫をする1.2回転×4,350円×24日営業日数FLRentFLR項目FoodLabor食材原価Food比率Labor比率人件費FLコストFL比率Rent比率FRLコストFLR比率食材原価+人件費FLコスト÷売上賃料FL+R(賃料)FLRコスト÷売上客席数 × 客席回転率 × 客単価 × 営業日数売上フードメニュードリンクメニュー価格設定接客表看板(ファサード)リピート促進グルメサイトSNS・Google Map口コミ(インフルエンサー)ポスティング客単価の4要素集客の6要素客単価に関しては、フードメニュー、接客が大きく起因する。集客に関しては、新規客の集客に繋がる表看板と同時にリピート促進の優先順位が高い。項目優先度「「客客単単価価」」着着目目すすべべききポポイインントトはは売売上上アアッッププににはは戦戦略略がが重重要要!!「「表表看看板板」」とと「「リリピピーートト促促進進」」でで集集客客をを加加速速ををチチェェッックク必必ずず押押ささええてておおくくべべきき数数字字

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