Plusone632
12/36

飲食店は人々の日々の生活に欠かすことができない衣食住の「食」を担い、お客様の笑顔を間近で見ることができるとてもやり甲斐のある仕事です。それ以外にも、飲食店は基本的に現金商売でその日のうちにキャッシュが手元に入り、返済計画も想定しやすいため、開業資金に限り融資を受けやすいというメリットがあります。融資を活用することでブランド展開が成功すれば、M&Aによる多額の売却益を得ることも可能です。一方で賃料等の固定費が高いことから、パンデミックや景気後退の影響をもろに受けてしまう点はデメリットと言えます。また競合が多く差別化が難しいことから薄利な戦略になりがち。そうなると経営が立ち行かなくなる点も大きな懸念です。飲食店を開業する際には、経営戦略は当然のことながら出口戦略の構想を描くことで経営の指針が定まりやすくなります。飲食店で最も重要なことは「管理会計」、つまり“数字管理”です。売上を伸ばすことも重要ですが、その他重要な数字を管理できていないと「目が回るほど忙しいのに、なぜか利益が上がらない」などということにもなりかねません。例えば上の表のように、同じ売上目標を達成していたとしても、営業利益に大きな差が出ることはよくあります(図表1)。このケースでは、変動費が大きなポイントになっています。左の「数字管理ができていない例」は赤字ですが、右の「数字管理できている例」では業務改善によってアルバイト人件費や広告販促費などを飲食店は新規参入のハードルの低さと即金性の高さが魅力。着実に利益を積み重ねることで、店舗展開等によるビジネス拡大を視野に入れることも可能です。ところが飲食店の廃業率は非常に高く、3年以内の廃業率は70%、5年で計を怠ると陥りがちな失敗にはまってしまうことも。飲食店を開業するにあたり、押さえるべき数字やポイントについて、飲食店コンサルティングキャロット株式会社の嶋田光宏さんにお聞きしました。100.0%36.0%64.0%64.9%19.4%27.8%5.4%1.6%19.3%4.3%3.1%1.4%7.9%-0.9%74.7%38.7%84.7%¥3,500,000¥1,085,000¥2,415,000¥1,969,400¥680,000¥350,000¥120,000¥37,000¥422,400¥100,000¥110,000¥50,000¥100,000¥445,600¥2,187,400¥1,102,400¥2,537,400【売上高】 売上原価【売上総利益】(粗利益)【販売管理費計】(固定)社員人件費(固定)固定賃料(固定)減価償却費(固定)リース費(変動)アルバイト人件費(変動)広告販促費(変動)水光熱通信費(変動)支払手数料(変動)店舗経費・備品資材【営業利益】【FL比率】【Labor比率】【FLR比率】食材原価が高かったり、無駄に人をシフトインしていることで、最終的に赤字になってしまっている。【売上高】100.0% 売上原価31.0%【売上総利益】(粗利益)69.0%【販売管理費計】56.3%(固定)社員人件費19.4%(固定)固定賃料32.3%(固定)減価償却費5.0%(固定)リース費1.9%(変動)アルバイト人件費12.1%(変動)広告販促費2.9%(変動)水光熱通信費3.1%(変動)支払手数料1.4%(変動)店舗経費・備品資材9.2%【営業利益】12.7%【FL比率】62.5%【Labor比率】31.5%【FLR比率】72.5%デイリーで人件費と原価などを管理することによって、数字意識が高まり、利益が上がりやすい設計になっている。ティグレの活動報告や事業に役立つ情報をお届け飲食店経営講座数字管理できている例(実際の例)80%以上といわれています。初期設12NEWS 01NEWS 04デデメメリリッットト飲飲食食店店のの開開業業メメリリッットト&&「「管管理理会会計計」」 最最もも重重要要ななののははティグレニュース 図表1 売上目標350万円とした場合、両方とも売上は達成している数字管理できていない例¥3,500,000¥1,260,000¥2,240,000¥2,272,840¥680,000¥350,000¥120,000¥37,000¥675,840¥150,000¥110,000¥50,000¥100,000¥-32,840¥2,615,840¥1,355,840¥2,965,840飲飲食食店店経経営営講講座座TIGRE NEWS飲飲食食店店経経営営にに第第まま11つつ回回わわるる基基礎礎知知識識

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る