元谷元谷「平時にはホテル、有事にはホスピタル」1扱っ人ての大くれ人たとし父てコロナ禍でホテル業界は大変な打撃を受けられましたが、アパグループはどのような挑戦で立ち向かわれたのでしょうか。新型コロナウイルスの感染拡大が顕著になり始めた2020年4月、時の政権トップから、その時代表であった父・元谷外志雄（現会長）のもとに「国難に際し、コロナ軽症者の受け入れを行ってくれないか」と連絡が入りました。父はホテルが社会的インフラとして認められたことに意義を感じるとともに、医療崩壊を防ぐためにもその責務があると感じ、即断即決で受け入れました。このように「平時にはホテル、有事にはホスピタル」としてハイブリッドに運営を行うことにより国難への協力体制を実現し、一番多い時でアパホテル全室の約4分の1を提供しました。一方、ホテル業は、コロナ禍により経済活動が停滞し、訪日外国人旅行者も来なくなったことにより厳しい経営を強いられました。そこで2020年5月から6月にかけて「コロナに負けるなキャンペーン」として1泊1室2500円キャンペーンを実施しました。採算ラインぎりぎりの設定だったのですが、 橘 橘 5 橘 元谷多くの方々にアパホテルを初めてご利用いただく機会になりました。ました。お父様からは幼い頃から"帝王学"を叩き込まれたそうですね。ていたのですが、父は仕事から帰ってくると23時頃に私を起こし、その日の出来事を話し、「今日買った土地を見に行くぞ」と車で連れ出しました。現地に着くなり「お前はこの土地の最終形が見えるか」と私に聞きました。仕事2022年4月に社長に就任され私は小学生の頃、21時に就寝しが忙しいと子どもとのコミュニケーションはおろそかになってしまいがちですが、そうではなく事業も家族も一体、そして私のことを子どもではなく1人の大人として扱ってくれたことも今ではありがたかったと思っています。反抗期はなかったのですか。たので、従うしかありませんでした（笑）。理不尽なこともありましたが、社会人になってからでしか経験できないことを子ども時代に経験することができ、それが今に活きていると思っています。有無を言わせぬ強さがありまし就職活動の際には父から「お前は家業を継ぐ気があるのか」と聞かれ、「継ぐ気があるなら金融機関へ行ってお金が流れるメカニズムを学んで来い。継がないなら、﹃遺留分も含めて財産はすべて放棄する﹄と一筆書いてから好きなところへ行け」と。親孝行しなければという思いと、もう一つは、いずれ起業したいという思いもあって、家業による実績を活かせば事業を大きくできるという打算的な考えもあって継ぐことを考え、それを前提に銀行に就職しました。アパグループ社長兼最高経営責任者（CEO）元谷 一志
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