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令和4年10月以降、都道府県別最低賃金が大幅に引き上げられることは報道で皆さんご存じのことと思います。政府の方針でしばらくは大幅な引き上げが続くものと予測される中、最低賃金は「時間給」で定められることから、月額や日額で設定している場合の最低賃金はいくらなのか?が問題となります。この問題に対する答えは厚生労働省が定めたルールに従って計算し、各事業主が確認することになりますが、今回は確認すべき事項について詳細をお話しさせていただきます。労働者が働いた対価として受け取る賃金は「最低賃金法」という法律を根拠に、1時間あたり「〇円以上であること」と都道府県別に定められています。最低賃金を下回っている場合には法律違反(50万円以下の罰金)となります。なお、特定(産業別)最低賃金というものもありますが、一般的には産業別最低賃金は地域別最低賃金を上回る額となっており、地域別最低賃金と産業別最低賃金のいずれか高い方を支払う必要があります。(スライド①)最低賃金は「1時間あたり〇円以上」と定められていますが、月給労働者や日給労働者に対する最低賃金も同様で、月額や日額を時間あたりに換算したとき「1時間あたり〇円以上」を守っていれば法律違反とはなりませんが、下回っているとなると最低賃金法違反となります。では、どのようにして時給換算するのかといいますと、スライド②に記載した通り、「月額を1カ月平均所定労働時間」「日額を1日の所定労働時間」で割って計算し、1時間あたりの金額を算出します。時間単価を算出し、最低賃金額以上であるか否かの確認が行えますが、月給の場合は要注意です。理由は、時給換算する際に「総支給額を平均所定労働時間で割って計算する」では、最低賃金を下回っている可能性があるからです。月給で賃金を支払うケースでは、スライド②に示した通り、毎月決まって支払う手当の合計額のうち、「精皆勤手当」「通勤手当」「家時間給や日給の場合は単純に最低賃金の  引き上げに伴う注意点文◎ 江口俊彦(特定社会保険労務士)最低賃金とは時間給と月給(日給)の違い月給で支払う際の注意点 22業は異なります。⇒都道府県労働局のホームページなどで確認が必要です。・特定最低賃金を下回った場合は、労働基準法上の賃金全額払いに違反すると解されます。スライド 1業務支援1.地域別最低賃金・都道府県別に設定される。派遣労働者の場合、派遣先(勤務先)の事業場の都道府県別最低賃金が適用されます。・都道府県別最低賃金が1,000円なのに、900円しか払っていない場合は最低賃金法違反となり50万円以下の罰金に処せられ、それまで900円で支払っていた部分を1,000円として再計算して、支払う必要があります。(部分無効自動引き上げ)2.特定(産業別)最低賃金・特定の産業別に設定される最低賃金のことで、都道府県によって設定される産最低賃金の種類会社の守り方❾Vol.

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