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健常者と障がい者は車の両輪「障がい者と一言で言っても、一人ひとり違います。健常者・障がい者に関係なく“個性”に気付き、仕事をマッチングすると目の輝きが変わるほどに成長してくれます」取材の中で、眞鍋社長は“個性”というワードを何度も繰り返した。近年、苦手なことに取り組むより、その人の能力や性質に当てはまった任務を与える「適材適所」の重要性が再認識されつつある。利通では少量多品種の特性を活かし、障がい者の個性に合った仕事のマッチングに成功している。「障がい者の方々はとにかく欠勤率が低く、お願いしてやっと有給を消化してもらうほどに一生懸命働いてくれます。仕事を覚えるまでの時間は健常者よりも長くかかるかもしれませんが、障がい者特有の感性が活かされた時、我々では歯が立たないほどに活躍してくれるんです」2020年、利通は厚労省が制定した障がい者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度「もにす認定」を受けた初の事業者となった。時を同じくして認定された他の2社は特例子会社で、本社が認定されたのは唯一利通のみであった。「もにす認定を取得したことで受注の増加があったわけではありませんが、従業員自身が障がい者との関わり方に新たな気付きを得るきっかけとなりました。また私自身も講演の機会を通して勉強させられることが多くありました」障がい者は各々で感性が大きく異なる。そのため、一人ひとりに合わせた配慮が必要なのだ。ワークアイアイ利通では、障がい者に毎日の日誌をつけてもらうことで体調や仕事の達成感などを共有し、個性を活かす取り組みをしている。障がい者の力強さに気づかされたのはコロナ禍だった。主要取引先3社からの受注が30%減少し新規取引先の開拓を迫られた上に、子どもの保育園が閉鎖となった職員は出勤することができず、新たな人材確保が必要となった。しかし、その際も就労継続支援A型事業所であるワークアイアイ利通で働く欠勤率の少ない障がい者に支えられ、新規取引先を10社に広げながらも、新規社員を採用することなく進めることができた。「うちの会社の雰囲気、トゲがなくてアットホームでしょ」顔をほころばせながら眞鍋社長は言う。「弊社では、健常者と障がい者は車の両輪で、共になくてはならない貴重な関係です」ワークアイアイ利通では、新規事業としてPCリサイクル事業を始めようとしている。レアアースの回収や基板の解体を行うことにより、作業効率や欠勤率などの成績が優秀な障がい者に対する受給率アップを図るための施策だ。従業員一人ひとりと向き合うことによる究極の適材適所によって、障がい者の存在はこれからも利通グループの要であり続けるだろう。有限会社利通ご不要になったパソコン等の小型家電の回収にご協力をお願いします!詳細はWebサイトをご覧ください。妻・千加子専務(左)と20年来の付き合いの仲島常務(右)29多品種少量生産方式の生産現場。職人技が光る事業内容/ 電子機器、精密機械の製造・組み立て加工〒969-0825会津若松市門田町大字黒岩字石高241-2tel:0242-27-2602 fax:0242-36-7012http://www.rituu-g.com

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