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んせ譴けき責処分が軽い処分に該当し、一番重い処前号では、問題言動が認められる労働者に対し、どのような「問題言動」があり、その「事実をどう残すか」についてお話ししました。本号では懲戒処分を実際に行う際の注意点について解説します。一般的にはスライド①に示したような種類が懲戒処分の例として挙げられます。口頭注意(戒告)や始末書を提出させる分は懲戒解雇となります。これらの処分を実際に行うためには、就業規則に種類を定め、「どのような事案」が「どの処分に該当するのか」を明記しておく必要があります。言い換えますと、「就業規則がない」「就業規則を周知していない」や「該当する事案が記載されていない」就業規則を根拠に懲戒処分を実行することは原則として認められません。「始末書を書かせて、降格処分まで行うことは可能か?」とのご質問をいただくことがあります。結論から言いますと、就業規則に記載されている内容によって異なるため、可能とも不可能とも言えません。スライド①の「降格」項目のような記載があれば問題ありません。一方で、戒告処分や譴責処分を繰り返し、再び同じ処分を課す必要が生じたために、懲戒処分として始末書の提出を求めたことと、その職務に従事させることが不適格動として降格を行ったというケースであれば二重罰に該当しないと解することができます。ポイントは、1つの問題言動に対し複数の処分を行うことは二重罰に該当し違法となりますので、処分の名称と処分の内容を明確に定めておくことが重要となります。(スライド②)就業規則に「弁明の機会」(対象労働者の意見を聴取する機会)を設け、その結果を踏まえて処分を行うという「手続き上のルール」を定めているケースが散見されま人事上の判断”を行い、人事異会社を守る (後編)      文◎ 江口俊彦(特定社会保険労務士)懲戒処分とは二重罰の禁止と“弁明の機会の付与を行っているか 戒 告譴 責 (けんせき)減給出勤停止降 格諭旨解雇懲戒解雇処分の種類口頭での注意を行い、その事実を記録する。始末書を提出させ、指導を行う。始末書を提出させるとともに、平均賃金の日額の1/2以内の額の賃金を控除する。※1つの事案に対する減額は、平均日額の1/2以内が限度※複数事案の場合は、総額として一賃金計算期間の1/10以内が限度始末書を提出させるとともに、10労働日を上限として出勤を停止させる。 なお、当該期間の賃金は支給しない。(※出勤停止させる日数は任意)始末書を提出させるとともに、任命した役職を解く。退職届の提出を求め、退職を勧告する。本人がこれを拒否したときは普通解雇とする若しくは懲戒解雇を通知する。予告期間を設けることなく即時に解雇する。この場合において、所轄の労働基準監督署長の認定を受けたときは、解雇予告手当(平均賃金の30日分)を支給しない。規定例22スライド 1業務支援懲戒処分の種類と規定例会社の守り方❽Vol.労使間のトラブルから

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