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気になる病気や健康について分かりやすく教えていただく「健康相談室」。第8回目は「大腸ポリープ」。大腸の粘膜の一部が形態変化したものの総称で、必ずしもすべてが治療の対象ではありませんが、中にはがん化の懸念がある腫瘍性ポリープが隠れている場合も。異変を感じたら、自己判断せずに検査を受けることが大切です。こともあります。ポリープが内視鏡で切除できない、またリンパ節への転移の可能性がある大腸がんと診断された場合には、腹腔鏡手術や開腹手術によって腫瘍を取り除きます。検査方法は他にも大腸CT検査や注腸レントゲン検査があります。最近、広く行われるようになった大腸CT検査は、大腸内視鏡検査よりも少ない下剤での検査が可能で、かつ痛みが少ないとされます。大腸内視鏡検査に不安を感じている方や腹部の手術の既往があり、内視鏡の挿入が難しい方に適した検査方法です。大腸ポリープができる要因は加齢や遺伝性要因の他に、喫煙や飲酒、運動不足、肥満や加工肉第8回大腸ポリープ大腸ポリープは大腸の粘膜から突出した形態変化の総称で、いぼ状に突出するものを指しますが、平坦~やや陥凹するものもあります。ポリープには組織学的に「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」があります。腫瘍性ポリープはがん化することもあり、前癌病変といえます。いずれのポリープも小さい時には自覚症状がなく、まれに便に血が混じることがありますが、少量で気が付かないことがほとんど。腫瘍性ポリープは大きく成長するものもあり、放置すると腹痛や、便に血液や粘液が混じるなどの異常をきたすこともあります。ポリープの発がんリスクの判断は、ポリープを切除し組織検査をする方法が一般的です。2cm以上になるとがん化の可能性が高まるため、少しでも異常を感じたら大腸の専門医がいる施設への受診・検査をお勧めします。大腸内視鏡検査でポリープの治療を受けた方は、大腸がんになるリスクが減ることが知られています。検診では2日法の便潜血検査を行い、1回でも血が混ざっていたら陽性と判定され、精密検査が必要です。2リットル程度の下剤で腸の中をきれいにして、内視鏡を肛門から入れて、病変部位を直接観察する大腸内視鏡検査が一般的です。表面構造や血管像などを観察することで腫瘍性か非腫瘍性かを判断し、小さな腫瘍であれば、その場で切除するの摂取などが挙げられます。そのため、予防に大切なことは、禁煙はもちろん、適度な運動や節酒、野菜や穀類、きのこ、海藻などの水溶性・不溶性食物繊維が豊富な食材を摂ることなどのごく当たり前の習慣を身につけることです。(福島県会津若松市)20健健康康相相談談室室遠藤俊吾先生福島県立医科大学会津医療センター多くの場合は良性 多くの場合は良性     潜む大病に要注意    潜む大病に要注意

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