Plusone629
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橘 橘  5木村 変化に適応できるものこそが生き残るコロナ禍で飲食業界は大きなダメージを被りました。どのように乗り切ってこられたのでしょうか。コロナ禍で一時は売上が前年の4分の1、5分の1にまで減りました。それでも従業員の給料を減らすことは一切していません。最後の最後まで従業員とその家族を守り、幸せにすることが企業の役割だと思っています。これまで2001年にはアメリカ同時多発テロ事件、2011年には東日本大震災、そして2020年には新型コロナウイルス感染症拡大、最近ではロシアによるウクライナ侵攻といったように、10年サイクルで社会を揺るがす大きな出来事が起きています。たとえコロナ禍が収束したとしても、その後また何が起こるかわかりません。だから何事にも対応できるようつねに準備を怠らないことが大切。人類も生物も変化に適応できるものこそ、生き残ることができるのです。﹃すしざんまい﹄を開店するまでにですね。木村 さまざまな業態の事業を起こしました。現在は当たり前のようにある温かい弁当屋もその一つです。当時まだ電子レンジはありませんでしたから、売っている弁当は工場などで作られた冷たいもの。お客様から温かい弁当を食べたいといった声を多く聞き、よしそれを作ってみようと決めました。ところが、いざ販売しようとしたら保健所からまさかのストップ。温かい弁当は菌が発生するから販売はできないと。私は何としてでも販売したいと思い、菌について必死に勉強しました。その結果、温かいものは作ってから4時間ほどで菌の量が増え、食中毒を起こす可能性があることがわかりました。そこで、朝のうちに注文をもらい、ご飯を炊き、惣菜を作り、食べてもらう2時間以内に作ったものを詰め、弁当には「2時間以内にお召し上がりください」と添えることで販売することが可能に。これが大変喜ばれ、大きく売上を拡大しました。酒屋、屋台村、不動産の仲介・販売、バスを改良した移動式カラオケなど、誰よりも早く手掛けました。1979年に独立してから自分で他にも、レンタルビデオ店や大型の居80以上の事業を手掛けてこられたそうティグレグループ代表スペシャSPECIAL 橘 悦二

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