Plusone629
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「楽しかった」この10年の売上のうちかつては直売が80%を占めていたが、この10年で直売部門を思い切って整理し、現在では卸が80%と逆転。できた余力を商品開発や情報発信に振り向けたことで、丁寧な商品づくりをしている姿勢に共感するスーパーなどからお声がかかるようになったと言う。2021年に有機のルイボスティーも商品化した。「それまでルイボスティーはくせがあり飲みづらいというのが当たり前と思われていましたが、弊社の日本茶インストラクターの力を借り、火入れの温度を変え、茶葉の重量も変えながら様々なパターンを試して一番おいしいものを作りました。これはどこにも負けない自信があります」と胸を張る。同社には日本茶インストラクターが3人いるほか、薬膳コーディネーターや管理栄養士の資格を有する者もいる。中でも日本茶インストラクターは、毎日のようにお茶に関する情報をSNSで発信し、名古屋に出店予定の日本茶テイクアウト店で出されるお茶の監修にも携わっているという。「茶審査技術には最高位の十段という段位があり十段は全国で15人しかいないのですが、まだ女性はいません。日本初の女性十段を目指すと言ってく「かおりちゃん」もリニューアル。れる社員もいます」。法人設立から50年の節目を迎えた2020年には、知茶知人(ちちゃちじん)という企業理念を新たに定めた。「茶を知り、人を知り、人を癒す、という意味で、まずは私たちがお茶のことを深く学び、人の好みや考えを深く知り、それらの知識によりお茶を広めることで人々の心身を健康へと導くことを第一に活動していこうという気持ちを込めました」と語る。同時にチークなどを現代風に変え、字体も丸みを帯びさせた。社長に就任してからの10年を「順調でないときもありましたが、優秀な社員のおかげで助けられ、素直に楽しかった。どんな形であれ次の代にうちの会社を、そして森徳らしさを残していきたい」と力強く語る。そのための大きなテーマはさらなるブランド力の向上だ。そしてそこにつながるブランディングの取組として本社敷地内にお茶と簡単な食事を出し、一般の方も利用でき商談もできるスペースを作るアイデアも練っている。「お昼時には、祖母が作ってくれたきつねうどんとおにぎりを再現して、お茶と一緒に食べてもらいたいなと思っているんです」おいしさと健康にこだわり、温かみのある社風を引き継いで、宇治森徳は100年企業を目指す。株式会社宇治森徳宇治森徳の美味しいお茶がインターネットで購入できます。オンラインショップはこちらからアクセスしてください。口脇氏とティグレ・橘代表(左)事業内容/緑茶、健康茶の販売・卸〒580-0045大阪府松原市三宅西5-716-3TEL:072-335-7000 FAX:072-335-7475https://kaorichan.co.jp/橘代表からのコメント先代の重田会長にもお世話になりました。豊かな発想力のもと従業員を大切にされる経営を実践されていた重田会長の思いをしっかりと受け継ぎ新たな挑戦を続ける口脇社長の思いに触れ、さらなる事業の発展を確信しました。26

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