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気になる病気や健康について分かりやすく教えていただく「健康相談室」。第7回目は「ドライアイ」。今や国民病とも言えるほど、ドライアイの自覚症状を持つ人は少なくありません。リモートワークやWeb会議などが普及しつつある今だからこそ、予防や適切な治療によって症状の進行を抑えることが可能です。イの原因になることもあります。女性の場合、瞼の粘膜部分にアイラインを引くメイクによって、マイボーム腺を物理的に塞ぐ“マイボーム腺梗塞”を引き起こすことがあります。油分の分泌が妨げられることから、若い女性のドライアイの要因の一つになっています。メイクはまつ毛の外側に塗布し、帰宅後は専用のリムーバーでしっかり落としましょう。また、視力矯正手術(レーシック)もドライアイになりやすい傾向があります。もともと自覚症状がある人は、医師と相談の上でしっかり判断することが重要です。軽度のドライアイでも、放置すると角膜が傷つき、細菌の侵入による角膜感染症や炎症の第7回ドライアイドライアイは、黒眼である角膜と白眼の表面の結膜が乾くことによって生じる症状で「乾燥性角結膜炎」ともいいます。ドライアイは重症度によって要因が異なります。軽度な症状はPCやスマートフォンでの作業や読書など、注視することによる瞬またき回数の減少や、主に空調機器による低湿度環境によって眼が乾燥することが原因です。しみる、ごろごろする、眼を開けているのが辛くなるなどの症状が出ることがあります。重症はリウマチやシェーグレン症候群などの自己免疫疾患の方に多く見られ、涙腺が炎症を起こすことにより涙の分泌量が減少し、眼が乾いて表面が傷つきます。熱感や痛みが生じる他、光が乱反射するまで傷ぶた瞼まのキワには油分を分泌するつくと視力が低下することも。軽症が進行して重症になることは多くありませんが、要因ごとに合わせた適切な治療と対策が必要です。眼の潤いを守るためには、涙を保持する3つの層が重要です。左図のように、眼の表面は水分を保持するタンパク質がある「ムチン層」、涙腺から水分が供給される「水層」、最表面で水分の蒸発を抑制する「油層」の3層構造になっています。これらのどれが欠けても眼の潤いを守ることはできません。「マイボーム腺」という組織がありますが、加齢によって分泌能が低下すると眼が乾きやすくなります。さらに、外的要因がドライア恐れがあるため適切な治療が必要です。特に、ソフトコンタクトレンズは涙液によって柔軟性を保持する性質なので、着脱時に眼を傷つける恐れがあるため注意が必要です。たら、市販の点眼薬を使用して様子を見てください。ヒアルロン酸などの眼の潤いを保護する成分が配合されており、予防としても効果的です。それでも症状が治まらない場合は必ず眼科を受診しましょう。ワークが増えたことによってPCでの作業時間が増加傾向にあります。意識して瞬きをすること、部屋の湿度を保つことで眼の健康を守りましょう。ドライアイの症状を自覚し昨今は、コロナ禍でリモート日本医科大学多摩永山病院 (東京都多摩市)20ば健健康康相相談談室室堀純子先生眼の乾燥を加速させる要因は眼の乾燥を加速させる要因はPCやスマホ、空調機器。PCやスマホ、空調機器。

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