Plusone629
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令和4年1月24日に、ティグレの会員さんである相続太郎さん(仮称)がご逝去されました。青色事業専従者で同居の弟である相続次郎さん(仮称)から、「相続の手続きをどうすればいいかわからない」とのご相談があり、早速ご来社いただきお話を伺いました。❶相続関係については、被相続人の太郎さんには配偶者も子もいない。父母はすでに死亡。兄弟は相談者の次郎さんの他に、先に死亡した姉がいる。姉には子の花子さん(仮称・被相続人の姪め)がいるがずっと断絶状態。❷遺言があるかどうかは不明。❸相続財産は、大阪市都島区にある居宅兼工場(約2500万円)、預金は4000万円ほどあると思う。債務はない。以上のような状況でした。まず、法定相続人は相談者の次郎さん。そして、先に死亡した姉に子が1人いるということは、その被相続人にとって、姪の花子さんが2人目の法定相続人となり、法定相続割合は「2分の1ずつ」ということになります。遺言がなければ、次郎さんと花子さんの遺産分割協議が整わないと相続 い 手続きができません。つまり、生死が不明の花子さんと連絡が取れないと何もできない状態でした。もし、手書きの自筆証書遺言があれば遺言を執行することとなります。また、相続税の基礎控除は4200万円と推定されますので、当然、相続税の申告が必要となります。次郎さんは兄を支え、営々と築いてきた事業を、次郎さんの子に継承したいと考えています。困難な事案ではありますが、次郎さんを全力でサポートすることにしました。❶早速弔問に伺い、委任状をいただき「相続関係調査」を行いました。太郎さんも次郎さんも本籍をご出身の熊本県○○町においていました。まず、○○町より①太郎さんと次郎さんの現在戸籍、②ご両親の出生から結婚するまでの戸籍を申請し取得しました。しかし、母親の出身が熊本県の△△市であったため、そちらに母親の出生から結婚までの戸籍を申請し取得しました。これにより、法定相続人は次郎さんの他にも、先に死亡した姉が被代襲者である可能性が確認されました。次に姉は、結婚して熊本県から愛知県○○市に転籍していました。その後、大阪市○○区、次に大阪市△△区、最後は兵庫県○○市で死亡していました。このことによって代襲者は花子さん1人であることが確認されました。さらに、花子さんの戸籍の附票を取得して住所地を確認することができましたが、花子さんは住民票をそこに置いたまま転宅し、現在の居所は不明ということが明らかになりました。ここまでで15通の戸除籍謄本等が必要で調査に1カ月余りかかりました。このように兄弟相続で代襲相続人がいる場合などの相続関係調査は複雑なので、相続人にできない場合は、当社の相続グループで「相続関係調査」をサポートしています。(相続関係図)❷もし、別紙のような自筆証書遺言があり、家庭裁判所で「遺言の検認」手続き、「遺言執行者の申立て」が認められれば、第3順位の相続人の代襲者である花子さんには「遺留分」がありませんから、次郎さんが包括受遺者となり、全ての財産の相続手続きについて花子さんの同意は不要となります。そこで、次郎さんに兄遺言は要式行為といわれ法的に認められるためには、全文自筆で、日付と氏名が書かれていて、印鑑が押されていることが要件です。ゆっくり解説事例に学ぶ相続のお話第3回相談受任後の調査相 続私の財産は、全て弟の相続次郎に相続させる。遺言執行者に弟の相続次郎を指定する。遺言令和4年○月○日相続太郎  自筆証書遺言の文例被代襲者(姉)生死不明代襲者花子さん相続関係図(被相続人の姪)被相続人太郎(兄)相続人相続 次郎終活と相続16NEWS 04NEWS 04個個人人事事業業主主がが死死亡亡。。行行方方不不明明のの相相続続人人ががいいてて、、預預金金がが使使ええなないい!!

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