Plusone628
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子どもたちと一緒に道をつくりたい子どもたちが可能性を当たり前につかめる未来をステーション にこり」に子どもと一緒に来てもらうことも始めた。おいしい食事を食べてもらい、お風呂にゆっくり入り、お母さん同士で話をしてもらう。「たまには誰かに赤ちゃんをお風呂に入れてほしい時もあるはず。れるんです。社会全体でママを支えていくことができればいい」と話す。「なぜ子どもたちにとって必要なことが、まだまだ足りていないんだろう」。松丸さんはある時ふと思った。そして気が付いた。「それが必要なサービスだとわかっていても、お金にならないことであれば、多くの人はしたいと思っていてもできないんだ」。にこりには協力してくれる人や自治体が協力してくれる環境があったが、その輪をより広げることで、よりたくさんのお母さんや子どもたちが楽しく過ごせる未来が作れるかもしれない。そう感じた松丸さんは、子どもたちに本当に必要なことを制度化していこうと自治体の担当者に子どもたちの可能性を訴え、さまざまな助成制度の実現にこぎつけた。民間企業への呼びかけも同様だ。人工呼吸器が必要で、バギー型車いすで移動しなければならない子ど一例目を作ってくれた。「子どもたちが作っていく道にはそのもを東京ディズニーランドへ連れて行く方法に悩んでいた時のこと。北九州市に本社を置く航空会社のスターフライヤーにお願いすると、それまで人工呼吸器をつけた子どもの搭乗実積がなかったにもかかわらず、依頼して一週間という早さで搭乗の想いを伝えると自治体、企業の担当者は温かく、やさしく受け止めてくれ、そして一緒に考えてくれるという。「子どもたちが街に出ると、みんな優しく接してくれるのと同じで、みんな知れば温かく迎えてくれる。だからまずは知ってもらうことが大事なんだと思っています」と松丸さん。バギーに乗る子どもたちが切り拓いていく道は、将来、車いすを使う人が通る道にもなる。先に続く物語があるんです」。今後想像する未来について「どんな地域に生まれても、どんな環境に生まれても、ハンデを抱えていても子どもたちが可能性を当たり前につかめるような社会になってほしい」と松丸さん。「そのためには、子どもたちにとって必要なことを支援する人たちとチームで取り組めるような仕組みに変えていきたい」と話す。小児専門の訪問看護事業を始めてから6年間、子どもたち、そしてお母さんたちのために疾走し続けてきた松丸さんのエネルギーには心を打たれる。「電車でお年寄りや妊婦さんが目の前に立ったときに自然と席を譲るように、頭で考えることではなく、ただ体が動くことを繰り返ししていくだけ」。そう語る松丸さんの目は常にまっすぐ前を向いている。NPO法人 にこり賛同いただける企業さま・個人さまに、にこりの活動をご支援いただけますと幸いです。随時Webサイトで寄付を募っています。子どもたちの願いを叶えるために日々奮闘するにこりのスタッフの皆さん。29事業内容/小児専門の介護事業所、福祉有償運送、児童発達支援・放課後等デイサービス 居宅訪問型児童発達支援など〒811-4233 福岡県遠賀郡岡垣町野間3-4-24tel:093-282-5810 fax:093-863-0331https://nicori.org/医療ケアが必要な子どもとその家族の外出を支援している。30分休むだけでお母さんはまた頑張

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