Plusone628
26/36

営業向きでないからこそ、誠意を持ってどん欲に学ぶ悪い情報こそすべてオープンにする誠意を持って臨めば思いは通じる「クラック(ひび割れ)が入っている」株式会社ごう不動産では、売買不動産1件1件に「オネストカード」を付けている。これは文字通り、物件の欠点を余すことなく購入検討者に〝正直に〟伝えるための内容がびっしりと書き込まれたカードだ。例えば「境界トラブルを起こしている」といった内容が盛り込まれており、それは価格の評価にまで言及している。「相場より高い値付けであれば、それもはっきり伝えます。買うならもう少し下がるのを待ってからにした方がいいとアドバイスもします」と語るのは、同社社長の冨田剛さん。その一方で、内見の際に、物件の良いところについてはこちらから押しつけがましく言うのではなく、お客様に五感で感じていただくようにしています。不動産はローンを組んでまで購入する一生で一番高い買い物なので、後悔してほしくないんです。だから、良いところも悪いところもすべて理解したうえで買いたいというお客様ご自身の気持ちを大切にして購入を決断してほしいと思っています」と、信念を込めた思いを熱く語る。冨田さんは不動産業界で働くことを最初から目指していたわけではない。3社目に入社した携帯電話販売会社でカウンター業務を経験し、「訪問営業ではなく、カウンターでお客様の来訪を待つ営業が性に合っているとわかった」という。そしてカウンター業務の仕事で次に選んだのが不動産業だった。「ぼくが生まれ育った木造2階建ての家は床が抜けそうな家だったので、せめて自分が家を買う時にはしっかりと目利きできるようになりたい」というくらいの軽い気持ちで不動産業で働き始めたが、次第にこの業界で将来独立してやってみたいと考えるようになったという。不動産業でさまざまな経験を積も「細く長く商売を続けていきたい」と語る冨田社長26 株式会社ごう不動産代表取締役社長 冨田 剛さん東京福岡

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る