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育休」への対応が必要となるとともに、これらの改正に対応した「育児・介護休業規程」を準備する必要があります。1. 雇用環境整備については、①育児休業制度に関する研修を行うとともに、②会社としての方針を明確にすることが重要です。2. 個別周知・意向確認については、労働者から「申し出があったとき」に「育児休業制度の説明」と「取得時の社会保険料等の取扱い」を説明するなどの対応が必要であって、会社に必ず報告を求めるものではなく、会社が必ず把握する義務でもありません。3. 産後パパ育休制度については、新しい制度ですので育児・介護休業規程の変更が必須となります。「男性が育児休業を!?」という考えが根強いのが現状かと思います。まずはこの考えを払しょくするため、育児休業制度に関する研修を全労働者(少なくとも管理職)に対し行う必要があります。研修を受講した労働者の名簿等を作成し、受講記録を残しておくことが重要です。研修資料については、厚生労働省が作成した「イクメンプロジェクト」というサイト内に動画やリーフレットなどが準備されており、誰でも利用できます。また、「どのような制度なのかな?」と思う労働者のために、休業中のお給料や社会保険料に関することなど、休業中の待遇等について相談できる窓口を設置し、実際に相談があった際にはその内容を記録しておくことが重要になります。(スライド①)  次に、妊娠・出産を「申し出た」労働者に対し、各休業取得の意向有無を確認する必要があります。まず、「申し出た労働者」が対象ですから、妊娠・出産を「申し出ること!」と会社が労働者に義務付けるものではありません。そして、「いつ」「どの程度の期間」取得するのか、休業申請書を提出してもらい、実際に休業を取得させる必要があります。(スライド②)令和4年10月からは「産後パパ育休」制度がスタートします。そのためスライド③に示したイメージのように育休を取得することを労働者が申し出た場合には、対応しなければなりません。今後、大手企業を中心に「人材確保」の観点から積極的に育児・介護休業法の実施に取り組む流れが加速するものと考えられます。パワハラ防止法の対応と相まって、これらの法改正への対応は必要不可欠であると考えます。ただし、育児・介護休業法改正においてご注意いただきたいのは「意向確認」です。このタイミングで「ハラスメント」が生じるリスクが非常に高いと筆者は危惧しています。良かれと思って話をしたところ、「強制された」「拒否された」などの主張が発生するリスクがあります。そのため、前述の通り書面で「制度概要」を説明するとともに、書面で労働者本人の意思表明ができる書式を準備し、書面で面談記録を残すなどの対応が、いざというときの証拠書類になろうかと考えます。人手不足の時代に対応が難しい内容であるとは思いますが、時代の変化と捉えて対応策を検討して頂きたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。実務上のポイント具体的な実務対応法改正に対応して会社を守る母父休休23※オレンジ色の矢印は、今回の改訂で可能になった休み方スライド 3出生産後休業産後パパ育休→分割して2回取得可能出生後8週間育児休業育休育児休業 →夫婦共に分割して2回取得可能1歳1歳6カ月育休育休育休育休1歳以降の育児休業→途中交代可能2歳育休本号の結論育児休業取得率の公表によって、求人活動に影響が出る時代です。若い労働者ほど関心がある事項ですから、人材確保の観点から前向きに対応していただきたいと思います。一方で、個人的な要素でもありますから、労働者が育児休業制度等を利用したいと「申し出がしやすい環境」を構築することが目的であって、会社が把握する義務があるという問題ではありません。特に「意向確認」で「取得するの?しないの?」といった確認に終始しないよう、ご注意いただきたいと思います。制度改正により実現できる休み方(一例)

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