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「相続」は大きな資産を親などから継承する重要なライフイベントです。しかし、本来なら助け合うべき親子・兄弟などの家族が「相続」では利害対立者となってしまい、係争関係に発展するケースが多発しています。そのため、「相続の手続き」はさまざまな法律で手続きが厳しく定められています。さらに、何らかの「法的行為」で相続財産の移転が行われると、「相続税」「贈与税」などの課税関係が発生します。ティグレの会員さんからも、「親が亡くなった」「会員さん自身がお亡くなりになった」ケースで、そこから発生する相続税のご相談を数多くいただいてきました。しかし、「法定相続人」や「法定相続分」を事前に確認していなかったケースでは、思うような「相続」ができなかった「失敗例」も多くあります。法定相続とは、法定相続人が法定の相続分割合に従って相続することをいい、遺言がなく遺産分割の協議がまとまらない場合には法定相続となります。「この財産は当然、相続できるもの」と思っていても、相続関係をちゃんと調査しておかないと「思いと全く違う」結果になることがしばしば起こります。法定相続では、実際の「家族関係」ではなく、「戸籍」に記載された法的な身分関係で「相続人」が決められます。特にお子さんがいない場合は要注意です。また「自分と結婚する前に、先妻との間に子がいることを知らなかった」「本当の親だと思っていたが、実は幼い頃に養子になっていた」という事例もあります。Aさんは70歳の元公務員。妻の相続税負担が少なくなるようにと思い、居宅の土地建物をすべて妻に生前贈与していたのですが、妻は3年前にAさんより先に亡くなってしまいました。そこで、居宅を売却したいのですが、妻名義であり遺言も残していないため、断絶状態の妻の姉と兄に「相続放棄」をしてもらうよう手紙を送ったのですが返信はないまま。「遺産分割協議」に応じてもらえないので、売却することができない状態でした。つまり、Aさんは「法定相続人」や「法定相続分」を理解していなかったため、以下のような多くの手続きと、断絶状態の妻の姉と兄に接触して合意を得る必要がありました。居宅を売却するためには、登記上の所有者が亡くなった妻であるため、先に「相続登記」をして売却しなければなりません。そのためには、亡くなった妻の相続人が誰であるのか、戸除籍謄本を集めなければいけません。Aさんのお住いは大阪市ですが本籍は「滋賀県●市」ですので、●市役所で現在戸籍と「改製原戸籍」をまず取得しなければなりません。次に妻は結婚前、奈良県▲市に本籍があったので▲市で結婚から出生までの連続した戸除籍謄本を取得しなければなりません。▲市の前にどこかから転籍されていたら、そこから取得する必要があります。こうして、亡くなった妻の死亡から出生までの連続した戸除籍謄本を取得することによって、配偶者であったこと。また、子がいなかったことがわかります。であることを証明するには、妻の父母の死亡から出生までの連続した戸除籍謄本を取得しなければ、血族相続人が兄1 亡くなった時点で、Aさんが2 しかし、兄弟が姉と兄の二人妻姉兄 居宅を生前贈与自分の家が売却できない❶亡くなった妻の相続関係調査ゆっくり解説事例に学ぶ相続のお話第2回Aさんの事例Aさんが居宅を売却するために必要な手続き妻名義の家を売ることができない…法定相続分(子はいない) Aさんの事例父母は先に亡くなっている相続人Aさん3/4被相続人妻の姉、兄とは断絶状態1/81/83年前に死亡残りは亡くなった妻の姉と兄終活と相続14NEWS 04NEWS 04  誰誰がが相相続続人人かかわわかかららずず、、失失敗敗ししたた「「相相続続のの事事例例」」

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