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ドイツの商社を辞め、故郷・徳島で独立M&Jは、徳島県をはじめとする日本産の食材を輸出する商社業務のかたわら食品メーカーの輸出を支援する業務も行っている。代表の島本仁さんは大学1年生の時、「4年間払う学費を留学費用に充てて英語を修得し、海外でビジネスをしたい」と米国のカレッジに留学することを決意し、大学を中退。親に「1年間だけ学費を支援してほしい。あとは自分で学費を稼いで通う」という言葉を有言実行した強い意志の持ち主だ。カレッジを卒業してからは日本通運の米国法人に就職し、日本の家電メーカーの製品をアメリカに輸入する業務に従事した。その後、見聞を広めるべくドイツにある日通の現地法人に転勤した後、ドイツで日本人が経営する商社に転職。「その経営者は日本の大手商社OBの方で、貿易業務全般を叩き込んでもらいました。とくに自分のメリットよりも相手のメリットを大切にする姿勢を学びました」と感謝する。現地でドイツ人女性と結婚し、そのまま海外でビジネスを続ける道を考える一方、日本に戻ってビジネスをしたいという気持ちも芽生えた。「現地の外国人はみな愛国心が強く、日本のことを聞かれてもしっかり答えられない自分に歯がゆさを感じていました。自分も日本のために働きたいという気持ちが強くなっていきました」と当時の思いを振り返る。そして2015年6月、妻と1歳児、2歳児だった2人の子どもとともに故郷の徳島県に戻りM&Jを創業する。事業として真っ先に思いついたのは「徳島県の食材の輸出をサポートすること」だった。輸出したいと考える事業者は多かったが、海外向けの展示会に出品しても、その後で海外バイヤーとの英語でのやり取りができずに商談が進まないケースが多く、そこに商機を見出した。日本の食材、加工品を世界に広める徳島県へ招待した海外ジャーナリスト、ミシュランシェフ。合同会社M&J  代表社員 島本 仁さん東京徳島26

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