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ぜん息・アレルギー発症・アレルギー性鼻炎のメカニズムと関係Profile 増田 敬 先生和洋女子大学教授、フリーランスの臨床医として山王病院小児科、増田小児科などでアレルギー外来を担当。昭和34年生まれ。埼玉医科大学卒業後、同愛記念病院小児科、国立療養所盛岡病院アレルギー科医長、国際医療福祉大学准教授、同愛記念病院アレルギーセンター長を経て現職。専門分野は小児の気管支ぜん息を中心としたアレルギー疾患。近年は食物アレルギー患者さんを多くみています。令和3年には日本小児臨床アレルギー学会会長を拝命しました。コロナ禍で無事に開催することができ、ほっとしています。私自身、運動不足を解消しなくてはと日々焦っていますが、なかなか不摂生から卒業できません。ぜん息のメカニズムアレルギー発症のメカニズムアレルギー性鼻炎のメカニズム毎日を心地よく過ごすために発作がない時発作がある時気管支の粘膜には慢性的なアレルギー炎症が存在しています。重い方では気管支の壁が肥厚することもあります。炎症が存在するところに、さまざまなきっかけが降りかかると、平滑筋が縮みます。その結果、気道が狭くなり、息苦しくなります。①アレルゲンが鼻や目、口、皮膚などから体内に侵入します。②免疫細胞であるB細胞が体内に抗体を作り、再びアレルゲンが侵入する際に備えます。③アレルゲンが再度体の中に入ると、マスト細胞にくっついた抗体に結合します。 マスト細胞からアレルギー症状を引き起こす化学物質が放出され、症状が引き起こされます。布団やカーペット、クッションなどから見つかるダニは、一度住み着くと完全に除去することが困難です。一週間に一度は掃除機でしっかりと掃除しましょう。炎症が存在する鼻にアレルゲンが侵入することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状が生じます。基本的には気管支と鼻の粘膜には同じ現象が起きています。臓器が異なると引き起こされる症状も大きく異なります。●布団やカーペットは特に注意!アレルギー体質の方は乾燥肌が多い傾向があります。最近の研究では、アレルギー発症のきっかけに、皮膚からアレルゲンが侵入する経路がわかってきました。毎日の洗浄・保湿を欠かさずにしましょう。●皮膚を清潔に保つぜん息の方は、アレルギー性鼻炎の発症率が高いと言われています。また二つの症状は互いに助長・増悪させてしまいます。医師の指導の元、根気よく治療していくことが大切です。●二つの症状の関連埃、ダニ、ペットの毛、カビ、受動喫煙、冷気、激しい運動、ストレス、風邪などの感染症等21

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