Plus One No.626
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 5橘 長部 2013年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本酒が世界的に注目を浴びつつある。一方、国内に目を転じれば若者のアルコール離れが進み、日本酒を多くの人に飲んでもらうための戦略が問われている。人々の嗜好や価値観が変容する中、社長就任から5年目を迎えた長部訓子社長に、310年を超える伝統の先に大関が目指す姿について聞いた。出しています。例えば、昨年出した志村けんさんの言葉をラベルにした商品はかつてなく良い反応が得られました。志村さんの言葉が持つ力はもちろんのこと、コロナの時代だったからこそ余計に思いが通じたのかなと思っています。今年も人の気持ちが温かくなるような企画を考えているところです。昨年創醸310周年を迎えられた伝統のある会社ですが、ワンカップの商品化にとどまらず、1976年には「はこのさけ」というネーミングで紙パックの酒を業界で初めて発売したほか、1979年には米国カリフォルニア州で日本酒の醸造を始めるなど常に新たなチャレンジを続けてきた歴史を持っています。5年前に就任して以来、長部社長はそうした伝統の上にどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。絶えずイノベーションを起こしてきた会社であり、当社ではそれを「魁(さきがけ)の精神」として大切にしています。ただ、国内では若者のアルコール離れを始め市場を取り巻く変化が大きく、とても難しい時代に入っているとも感じています。ティグレグループ代表橘 悦二

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