Plus One No.626
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 4橘 長部 土台固めから成果を出す年に大関と言えばまず思い浮かぶのが「ワンカップ」で、私も長年愛飲しています。「ワンカップ」は1964年の東京オリンピックの年に発売され、容器の設計や酒質の改良を続けながら多くの人に愛され続けていると聞いています。祖父である10代目長部文治郎が、商品の仕様が固まっていないうちから、発売するなら東京オリンピックの開催日にしようと決め、現場が苦労したというエピソードが残っています。当時の若者がジーンズのポケットに入れて歩けるようなスタイルをイメージして、あのようなカップ容器のデザインが生まれ、当時は一升瓶で飲まれていた日本酒の常識を覆す最先端の商品として誕生しました。発売から57年が経ち、大関と言えばワンカップと言われるほど広く皆様に愛され続けてきたことはありがたいことです。ただ当時から飲んでいただいている世代の方々が年齢を重ねてしまった分、どうしても高年齢層向け商品というイメージでとらえられがちです。そのため一時は、若い世代に訴求するマーケティング戦略に重きを置いていたのですが、既存のお客様にも楽しんでいただけるよう、近年は幅広い世代とコミュニケーションを図る戦略を前面に打ちスペシャル対談人現づ場くをり知のるこ原点とが大関株式会社代表取締役社長SPECIAL DIALOGUE長部 訓子

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