Plus One No.626
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コミュニケーションの壁を乗り越えて捨てるわけではなく、活かしていく日本の展示会に出展していたベトナム企業に声をかけたのがきっかけで、現在は法人のみならずフリーランスとも関係を持ち、より柔軟なチーム編成対応を可能としている。オフショア開発の難しさの一つにはずばり〝コミュニケーション〟がある。文化の違いによる感性のすれ違いが生じることが多々あるそうだ。例えば、中国人やベトナム人は赤や黄、金色などの目立つ色を好む傾向があるそうだが、日本人は淡い馴染みの良い色を好む。また〝日本人にとって心地良いユーザーインターフェース(UI)〟が、必ずしも彼らにとって心地良い訳ではないことは、海外のウェブサイトを閲覧すると感じられるだろう。言語化が困難なUIやデザインについては日本人に監修を依頼するなどして改善を図ったことで、柔軟さを増していった。業務の進■管理にも課題があり、初めのうちは思い通りに進まず、慣れないうちは緊急でベトナムへ出張することもしばしばあったそう。「大事なことは何回も伝える。言い方を変えて伝える。日本人の新入社員に教えるように、とことん噛み砕いて伝える。コミュニケーションには沢「これまでのスタイルから、転換す一つある。グローバルなチーム編成、山の工夫をすることで、「足りなそうな部分をどう補うか」の感覚が付いてきました」「オフショア開発はただコスト削減だけが目的ではなく、手足を伸ばすための手段なんです」と福田さんは語る。泥臭く繋いだ〝ご縁〟を活かした仕事スタイルの福田さんを襲ったのは、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛だ。ITは必要とされているのに、得意としていた〝縁繋ぎ〟を活かすことができない。オンラインミーティングの機会は増えたが、やはりオフラインだからこそ感じられる空気感はない。る時期なのだと思います。コロナ禍で、ティグレにご紹介いただいた中小企業のIT化をサポートさせていただく機会があり、現場にはまだ多くの課題が残っていることを再認識しました。アフターコロナ時代を迎えた時、システム開発で役に立てることを、見直していこうと思います」福田さんが見据える事業はもうそして受注先のグローバル展開だ。過去に構築したネットワークを駆使し、中国やベトナムのみならず、世界を股にかけた事業展開をしていくのだという。福田さんの持つ〝システム開発技術〟と〝ご縁繋ぎ〟という強みは捨てられる訳ではなく、新たな歩みのために活かされていく。未来を見据える福田さんの表情は、明るく輝いているように見えた。株式会社マンディ事業の展望を笑顔で語る福田さん27ベトナムのエンジニアとのミーティング事業内容/オフショア開発・海外コンサルティング〒135-0063 東京都江東区有明3-7-26 有明フロンティアビルB棟9階tel:03-5530-8497https://www.mandi.jp/

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