Plus One No.626
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システム開発を人の繋がりが紡ぐ縁が縁を呼んで事業を後押し昨今はIT化やDX推進の加速が目まぐるしい。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、テレワークや遠隔教育が急速に展開。「ニューノーマル」への移行がデジタルシフトを後押しした。ソフトウェアやウェブシステム開発のニーズは増加の一途をたどり、日本国内でエンジニア不足が叫ばれる中、情報システムやソフトウェアの開発業務を海外事業者に外注する〝オフショア開発〟の需要が増加している。開発コストの削減が大きな魅力だ。オフショア開発自体は新しい概念ではない。株式会社マンディの福田弥社長は、2013年にオフショア型に注力したシステム開発事業を立ち上げた。事業開始時は中国、現在はベトナムのエンジニアを中心に、顧客の要望を叶える柔軟なチーム編成が強みだ。国境を超えて人材獲得に踏み切ったきっかけは中国人の妻との結婚だという。システム開発に実績のある福田さんは、人手が必要な大きな案件を受けられない課題があった。「ふと思いつき、妻に中国のシステム会社と関係を持ちたいと相談しました」福田さん曰く、「中国人は人間SNS」。人と人との繋がりが強く、あらゆるものを解決してくれる広いネットワークがあるのだと言う。当初は強い目的意識はなかったものの、縁が繋がった中国企業に挨拶をしてまわった。「驚いたのは、初対面の私と握手を交わし「一緒に仕事をしよう」と約束をしてくれたことです。実際に、仕事を依頼すると五人ものエンジニアを動かしてくれ、大きな仕事をこなすことができました」会社の肩書きではなく、〝縁〟を大切する国民性を強く感じさせる一件だった。事業が軌道に乗り始めた頃、中国は急速な経済成長期を迎え、人件費の高騰から年々利幅が少なくなっていった。やむなく新しいパートナーを求め、進出したのがベトナムだ。チームの信頼関係の構築には懇親会も大切26株式会社マンディ代表取締役 福田 弥さん東京

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