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ウッドショック問題の解決に向けてユニオンも動いている人材確保と育成が建設業の未来を左右する建設現場でも女性が活躍できるよう環境を整えていくで、輸入木材の不足により建築材料が現場に届かず、建設業は大打撃を受けています。あるビルダーの例では、コロナ禍の前までは月40棟あった新築数が4棟にまで激減したそうです。また、輸入木材高騰のあおりを受けて、   れというかたちが多かったのですが、これ代替の国産材の価格も上昇しています。うちの組合員からも「請負金額や工期の契約変更を余儀なくされた」「値上げ分は自己負担で補填している」といった声が数多く寄せられています。深刻な問題ですね。建設ユニオンとして、解決に向けて何か取り組みをされていますか?岡田 議会」に、全建総連(建設ユニオンの上部団体)の代表を送り、組合の要望を伝えています。このような場合、今までは申し入からは川上から川下まで関係者との連携を強化して、国産材の安定供給体制づくりを働きかけていきたいと考えています。並々ならぬ意志が感じられます。これまでに何か成果はありましたか?岡田 販売の前倒しに動き始めました。これは私たちからの要望に応えるかたちで、林野庁が国産材を少しでも多く流通させようと判断したもので、明らかに要請行動林野庁が開催する「需給情報連絡協早速、林野庁が国有林伐採と立木の成果と言えるでしょう。現在、建設技能者の約3分の1は55歳以上で、他の業種と比べて高齢化が進んでいると聞きます。将来の建設業を支える担い手の確保と育成が急務と思われますが、建設ユニオンとしてどんな対策を考えていますか。岡田 低い、休みが少ないという現状では、若い世代が入って来ないのも当然です。そんな中で、働き方改革関連法が順次施行され、時間外労働の罰則付き上限規制や時間外労働割増賃金率の引き上げなども予定されており、今後の労務管理の改善に期待しています。また、組合員に対して「建設キャリアアップシステム」(CCUS)の登録や資格取得を促すことで、職人が持つ能力の正当な評価と待遇の改善を図っていきます。すでに組合員の28%がCCUSに登録済みで、2025年までに登録率50%が目標です。ベテランの職人が持っている優れた技能や経験を、若い世代にどう伝えていくかも大切ですね。岡田 はい、建設ユニオンでは、若手の職まさに危機的な状況です。賃金が人育成を図るために、東京建築職業訓練校を運営しており、これまで60年以上にわたって4500人以上の職人がここから巣立って活躍しています。また、経験を積んだ高齢者の技術やノウハウを若い世代に継承していくことも重要と考え、青年技能競技大会などにも取り組んでいます。ティグレではこの4〜5年、積極的に女性の登用を進めており、今は正社員の約3割が女性。頼もしい戦力となっています。建設業は男性のイメージが強いですが、最近は女性が活躍する場も増えているようですね。岡田 おっしゃる通り建設業は男社会ですが、最近では現場で働く女性も増えてきて、「けんせつ小町」というウェブサイトも登場しています。建設ユニオンでも、全建総連が主催する女性同士の交流会やシンポジウムに参加するなど、女性が興味を抱き、働いてみたいと思える環境づくりに努めています。世代やジェンダーを超えて有能な人材に活躍してもらいたいというのはどの業界も同じ。これからもお互い協力し合いながら、ともに発展していきたいですね。ありがとうございました。協働といえば、組合員さんのほとんどが男性ということで、ティグレも協力させていただいて、婚活パーティーを開催されていましたね。今はコロナ禍でお休みということですが…。岡田 建設業は女性との出会いの場が少なく、後継者対策の意味も込めて実施していました。結婚へゴールインしたカップルも何組か誕生して本当に良かった。コロナが明けたらぜひ再開したいです。今年になって、北米での住宅需要の急増などで日本へ輸入木材が入って来なくなる、いわゆる「ウッドショック」が大きな問題になっています。建設業にはどんな影響を及ぼしていますか。岡田 日本の木材自給率は3割程度なの33

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