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電気通信工事 +ドローンでさらなる飛躍へ「ミスは100%許されない世界」インターネットや電話の通信回線は今や事業活動や暮らしに欠かせない基盤だ。都賀電気は、これらの通信回線をつかさどる大手通信会社の基地局向けに電気を安定的に供給するための電源装置の据え付けや配線工事を担っている。基地局には電力会社から高圧電力が供給され、基地局内で分岐器によって低圧に、また整流器によって交流から直流に変えられながら末端へと受け渡されていく。これらの電気を運ぶための電力ケーブルは太いもので直径10〜20センチもある。ドラム状に巻かれた状態で現地に運び込み、切断したうえで幾重にもよりながら機器とつないでいくため、作業は人力に頼らざるを得ない。また、自家発電装置や蓄電装置などがバックアップとして何重にもほどこされている。増設時などの切り替え工事の際には、現有設備を稼働させた状態で行われるため、高電圧下で常に危険と隣り合わせの作業を強いられる。それだけでなく、作業中に通信途絶を引き起こすことがあればその影響は計り知れないため「ミスは100%許されない世界」と、社長の白石芳郎さんは表情を引き締める。結束バンドをペンチで切る作業一つをとっても線が長く残ってけがすることがないよう根元まで切り、小さなビスを止めるたびに通電試験を行う根気強さも求められる。「日ごろから細かいところまで気配りできる丁寧さと、安全な仕事をするという意識が徹底していないととても務まらない仕事」という。その厳しさから多くの同業者が脱落していく中、同社は創業来30年近く無事故を続けてきた。また、「通信会社の設計担当者が机上で設計したものに対して、現場でより安全に効率的に工事を行うために、こちらから設計の提案をすることも多々ある」とのこと。そのような姿勢で顧客の大手通信会社から絶大な信用を獲得し、現在では大阪府内の主要な基地局の工事をほぼ任されている。太い電力ケーブル(右)とその切断機(左)28株式会社都賀電気代表取締役 白石 芳郎さん堺

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