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事業承継もスムーズにた。しかしこれらのことを契機に景観や安全性に対するルールが自治体ごとに定められるようになり、広告看板業者に求められる役割も変わってきた」と康紀氏は言う。広告看板の製作依頼が入るとまず行うのが、現地調査だ。「周囲の状況を見ながらどのような看板が適切か、どこにどういう向きで建てれば読む人に見やすいかを考える。クルマに乗ってる人に見せるならできるだけ言葉をそぎ落とし伝えたいメッセージをシンプルにしてもらう」。そして同時並行で行うのが行政との折衝だ。「自治体ごとに広告看板に求める景観や安全性の規制は異なる。担当者と話し合いながら、どのような看板が望ましいかを詰めていく。広告看板に求められるコンプライアンスを満たさなければ企業イメージを損なうだけに大事なプロセス」と言葉に力を込める。数年ごとに求められる要資格者点検も重要な仕事の一つだ。2018年9月に近畿地方を襲った台風21号では猛烈な風で多くの看板が損傷した。「異常気象が続き、大きな台風がいつ来るかわからない。設置工事の際には慎重を期して壁の裏側にも補強を施すなどしてより安全性と強度を確保している」と康紀氏。信明氏から受け継いだ丁寧な姿勢が同社の声価をさらに高めている。「JCで学ぶことは大きく、それを2021年8月21日、62氏から39歳の康紀氏に社長のバトンが手渡された。「看板広告の世界でもデジタルサイネージをはじめ、デジタル化が進展している。商売のやり方も昔気質のやり方では通用しないことも増えてきた。新しい感覚を持った息子に経営のかじ取りを任せようと数年前から考えていた」と信明氏は言う。その言葉を受けて康紀氏は「40年もの間、父が大切に育ててきた会社を受け継ぐことに責任を感じる。コロナ禍でもあり、何かを変えていくという意味ではいいタイミングと考え、引き受けることにした」と語る。康紀氏は2021年1月に和泉青年会議所(和泉JC)の理事長にも就任しており2足のわらじとなるが経営にも生かしていきたい」と話す。信明氏から受け継いできた丁寧な仕事が同社にとっての最大の強みだ。「何を作るかもそうだが、うちが評価されているのはどのように設置するかというところ。外側からは見えない自治体との調整力はどこにも負けないと自負している。うちでしかやれない強みにさらに磨きをかけていきたい」と抱負を語る。歳の信明三星広芸株式会社看板印刷用の大型インクジェットプリンター27本社1階部分は組立作業スペースになっている事業内容/屋外広告看板の製作、据付所在地/大阪府泉大津市板原町4-16-14TEL. 0725-23-8000 FAX. 0725-23-8888E-mail. info@sanseikohgei.jphttp://sanseikohgei.jp利倉信明会長(右)と康紀社長

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