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目に見えないところにこだわる広告看板業丁寧な仕事で地道に顧客を増やす行政との調整力で手腕を発揮一生の仕事にしてみようと独立しま「身の丈に合わない仕事」とひるん三星広芸は屋上広告塔から懸垂幕、横断幕、電飾サインから金属銘板に至るまで、街で見かけるあらゆる広告看板の設計からデザイン、印刷、組立て、そして現場の据付工事までを一貫して手掛ける。会長の利倉信明氏が、街の看板店での見習い経験を経て独立したのは1980年、20歳の時のこと。「広告看板は、自分が関わって作ったものが成果物となっていつまでも残る仕事。表札1枚でもその看板がある場所を通るたびに、作った時のことを思い出せるところにやりがいを感じ、した」と当時の意気込みを語る。初めての仕事の依頼は小さなスナックのスタンド看板だった。しばらくして、工事看板を書き換える仕事も舞い込んできた。手間がかかって他社が嫌がるような仕事でも感謝の気持ちを忘れず、一つひとつ丁寧に向き合った。その工事看板の仕事は今でも続いている。大手スーパーから大型看板の注文を受けた時は、だが、チャレンジできることに心が躍った。開店当日の前夜までぎりぎりの作業を終え、そのまま現地で朝を迎えた。昇る朝陽が看板にまばゆく当たる光景を見て自然と涙が出てきたという。の利倉康紀氏が入社した。その頃から屋外広告を取り巻く環境が大きく変わりつつあった。きっかけとなったのが、京都市が2007年に景観を損なう屋外広告物の排除を狙って行った条例改正、そして、2015年に札幌市で屋外広告看板が落下し女性が重体になった事故だ。「以前は広告看板と言えば掲出する企業の名前やサービスが目立ちさえすればいいという発想で作られ、規制も緩かっ社内には、広告看板に必要な機材や材料が充実している2620年前には現社長(信明氏の長男)三星広芸株式会社代表取締役 利倉 康紀さん堺

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