Plusone No.624
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渡辺 渡辺渡辺渡辺 7 橘 橘  橘 橘 観光、食と健康がこれからのキーワードり手を増やしています。また、JR東京駅で折り返す新幹線のわずかな時間内で車内清掃するJR東日本テクノハートTESSEIは、頑張りを評価する仕組みを取り入れ、新幹線の最後のワンマイルを担う大事な仕事であるというように意識を変え、掃除のおばちゃんの仕事を誇りを持てる仕事にし、人が採れる会社になったのです。業種、業態に関わらず、どのように誇りを持たせ、ブランディングをしていくかで変われる可能性があります。ティグレの会員企業には小規模な建設事業者も多く、担い手も不足しているのが実態です。どうすれば若い人にとって魅力ある事業にしていけるかは永遠のテーマですが、長年培った得意分野をうまく表現し、発信することで可能性も開けてくるのかなと感じました。げを伸ばすことにとらわれるのではなく、どのような思いで事業を行うのかというパーパス、経営理念をしっかり持って、社会に必要とされる会社づくりにトップが率先して取り組んでいます。また、人材育成に時間とコストをかけ、うちで10年働いたら外に出てもどこでも通用するという仕組みを整え、この会社に入れば自分が成長できると思わせることも大事だと思います。2021年5月期決算で過去最高益を計上されました。業績が好調な理由を教えてください。伸びている会社は、単に売り上ありがとうございます。パソナはしくなっている中で、コアな業務については自らで手掛ける一方、事務作業などはできるだけ外注するという動きが広がっています。当社ではそのような業務を受託する事業が好調だったことから、コロナ禍においても収益を確保することができました。業務を受託するビジネスについては、中小企業にも参入の余地があるのでしょうか。を中心に事業を展開していますが、第企業も自治体も人材の採用が難当社は各都道府県の県庁所在地2、3の都市には進出できていません。そこでは、まさに地域に密着した中小企業にビジネスチャンスがあります。その営業手法ですが、ITなどに頼ることなく、営業担当社員が地道に当該地域の企業を回る活動をしています。ある程度の営業コストをかけてでも一定量の仕事が取れるようになれば、あとはおのずと評判が立って広がっていきます。コロナ禍で日本経済の先行きは不透明ですが、今後の事業展開で注目しているキーワードはありますか。コロナが収束すればまたインバウンド需要は出てくるでしょう。観光産業の可能性は大いにあります。あと私たちが注目しているのは食と健康です。平均寿命が延びる中で、最期を迎えるまでにいかに元気で過ごせるかが重要なテーマになっていきます。そのためにも食の果たす役割は重要で、これらの分野で新たな事業をさらに切り拓いていきたいと考えています。1989年、専修大学卒業後、テンポラリーセンター(現パソナグループ)入社。再就職支援・人材紹介事業を核とするパソナキャリア(現パソナ)代表取締役社長などを経て、2018年から現職。本部移転プロジェクトの副総本部長も務め、自らも淡路島に移住した。渡辺 尚氏 (わたなべ たかし)パソナグループ 副社長執行役員

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