Plusone No.624
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いる。「たとえば、〜でよかったでしょうか、という過去形の問いかけに違和感を持つお客様もおられます。正しい日本語を使うよう徹底しています」。また、スタッフはすべて女性であるため、結婚や出産のライフステージの変化、体調不良時などには常に目配りしながら、休養や早退を促している。そのために仕事の合間にはスタッフとのコミュニケーションも大切にしている。「良質な仕事をするには心身ともに元気であることが一番、大切」と石原さん。2020年初頭からの新型コロナウイルスの感染拡大は、外に出る人が減った分、店の売上にも影響を及ぼした。そこでも石原さんは知恵を絞った。客数が減った分、まつ毛パーマなどの新たなメニューをオプションとしてそろえ客単価を上げることで、影響を最小限に抑えることができたという。石原さんはまつ毛エクステを好きだから事業にしているのではない、ときっぱり言う。「好きとビジネスは別物。まつ毛エクステはお客様に喜んでもらえてしっかり利益を上げられるから続いているのです。ある時、歯のセルフホワイトニングの機「上の2人の娘が大阪の大学に通っ器を導入したことがあるのですが、利益の出る気配がなく3カ月で撤退しました。ネイルサロンとの併営を考えたこともありますが、まつ毛エクステとネイルのスタッフの間でいらぬいさかいを生じかねないと考えやめました」。常に先をイメージしながら素早く経営判断できるのも石原さんの強みだ。こうした経営センスが磨かれた原動力は石原さん自身の私生活からもたらされたといってもよい。創業の頃と時を同じくして、夫と子育てに関する価値観で対立し、離婚を考えるようになっていたという。その後、まつ毛エクステ店の事業が軌道に乗り「夫の収入に頼らず、自立できるめどがついた」ことで離婚を、4決断。その後人の子どもをシングルマザーとして育て上げてきた。たので仕送りと学費だけでも大変でしたが、そこに下の娘、息子たちの家事もあったので、いかに時間をやりくりしその中で効率よく利益を出すかという低燃費経営の考えが自ずと染みついていきました」と話す。今後については「年齢で目が衰えてくるとまつ毛エクステの施術は難しくなる。私だけでなくスタッフも転身できるよう、新たな施術の教育、装置販売や海外進出、他の教育事業など多角化をあれこれと考えているところです」。常に安住することなく事業にまい進し続ける石原さ。4シャルはすべてSで始まる。社名にはその子どもたちへの思いが込められている。人の子どもたちの名前のイニシングルマザーの苦労で養われたビジネスの嗅覚まつ毛エクステ専門店「バタフライジュエル」今も自ら施術を行う石原さん23バタフライジュエルは、岡山市内で3店展開しているまつ毛エクステの専門店。施術者全員が美容師免許保持者で、サロンも美容所登録済みの安心サロンです。本店/〒700-0903 岡山県岡山市北区幸町8−25 岡山エクセルビル202TEL. 086-897-4241https://www.butterfl y-jewel.com/ん

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