Plusone No.624
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和食は米中心の食事スタイル。白米の摂取量と糖尿病の発症率には相関が認められています。特に、甘塩っぱいタレのかかった丼ものや、ご飯の量たっぷりの定食には注意が必要です。喫煙するからといって血糖値が上昇するわけではありません。しかし、糖尿病患者が喫煙を続けることで、脳梗塞や心筋梗塞などの糖尿病合併症のリスクが高まり、その結果総死亡率が上昇することもわかっています。できるだけ早期に禁煙することが肝心です。24時間14日連続で血中のグルコース値を測定することができる血糖値測定器が「高度管理医療機器」として調剤薬局などで販売されています。血糖値の上がり方は個人差があり、ストレスや早食いも血糖値に影響します。何を食べるとどのくらい上がるのか把握することで、糖尿病予防の意識を高めることができるでしょう。Profile山田悟先生医学博士。北里大学北里研究所病院 副院長、糖尿病センター長、内分泌・代謝内科部長。1994年、慶應義塾大学医学部卒業。糖尿病専門医として多くの患者と向き合う中、カロリー制限中心の食事療法では、食べる喜びが損なわれている事実に直面。患者の生活の質を高められる糖質制限食に出会い、積極的に糖尿病治療へ取り入れている。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医・研修指導医、日本糖尿病協会療養指導医、日本医師会認定産業医。『緩やかな糖質制限 ロカボで食べるとやせていく』(幻冬舎単行本)、『糖質制限の真実 日本人を救う革命的食事法ロカボのすべて』 (幻冬舎新書)、『忙しい人こそ知っておきたい 糖尿病がわかる本』(法研)など著書多数。スポーツドリンクは水分やミネラルを効率良く補給することができる反面、1本に20〜30gもの糖が含まれています。液体は固体よりも血糖値を上昇させやすい上に、血糖値が高まると喉が渇くため、スポーツドリンクを飲むことで加速度的に血糖値が上昇するという悪循環に陥ってしまう懸念があります。飲み物は特に糖質に注意しましょう。糖尿病を放置すると、徐々に血管が傷んでくることで様々な障害が現れます。毛細血管に障害が現れると失明や腎不全、神経障害などを引き起こす恐れがあり、生活の質を大きく低下させます。太い血管に障害が起こると、脳梗塞や心筋梗塞、足壊疽(足が腐ってしまうこと)を引き起こし、命に関わる危険性があります。自覚症状がないからと糖尿病を甘く見ずに、予防を心がけましょう。17“和食=健康”は食事、運動に並んで大切な“禁煙”自宅で測定可能な“血糖値測定器”がある間違い!スポーツドリンク、飲み過ぎ注意!自覚症状が無いからと油断は禁物!知らないと損する糖尿病予防の豆知識

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