Plusone No.623
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星野星野コロナ禍以前からあった問題に目を向ける柔軟、フラットで全員参加型の組織文化をす(笑)。起こりうるリスクに対して、せてリスク分散を図ることが大切だと思います。星野リゾートがなんとかコロナ禍で生き延びることができたのもさまざまなブランドのホテル、旅館を展開しているからで、特に今般は落ち込みが少なかったのが温泉旅館です。日本の国内旅行市場は大きいですからぜひ狙ってみてはいかがでしょうか。私は北海道でよくスキーをするのですが、以前から樺太で一度スキーをしてみたいと思っていました。樺太のツアーは企画されるのですか。ぜひ調べて、またご報告いたしま普段からどのような準備をしておくことが大切でしょうか。組織のカルチャーづくりだと思います。今回本当に素早く対応ができたのも、星野リゾートはフラットな組織文化であり、言いたいことを言いたい人に自由に言える組織風土があったからこそです。今回の危機いおいて、 橘 7 橘 橘  仮説を立てて、生き残る方法はこれしかないと発信をしたわけですが、その作戦に対して活発に議論をし、実際にやるべきことを迅速に考えて実行してくれました。危機対応におけるマジックはありません。日頃からすばやく、最適に対応できるような柔軟、フラットで全員参加型の組織文化をいかに作っていけるかが大事だと思います。コロナ禍を経験して、ティグレグループとしてもこれから起こるであろう自然災害も含め、あらゆる事態を想定して対応できる体制を普段から整えておくかの大切さを実感しています。最後に星野代表から事業者に向けてのメッセージがあればお願いします。とがあります。それはコロナ以前からあった問題を捉え直し準備する時間ができたということです。アフターコロナ時に、以前から抱えていた問題が解決されないまま元に戻ったのではもったいないことです。先ほどネット販売に挑んで売り上げを伸ばしたとコロナ禍を経験して感じたこいう事業所のご紹介がありましたが、それを普段の状態でも思いつき、実行に移していくことが重要です。観光業界で言えば、インバウンドの本来の目的であった地方への呼び込みについてもう一度考えるべきです。企業も社会も今やっていることに甘んじがちですが、立ち止まって考える時間ができた今をチャンスにアフターコロナに臨むべきだと思います。危機に直面した時の経営者のあり方、そして普段からの心構え、さらには危機に直面したからこそ生かせるチャンスがあることについてさまざまなヒント、学びをいただくことができました。ありがとうございました。大阪府松原市出身、1979年に中企連(現ティグレ)松原事務所に入社後、業務部長や大阪の堺支店長を経て、2015年に取締役就任。2017年からティグレグループ代表として、ダイバーシティ経営を軸に、人材育成と人財活用の組織再編を行い、多様なキャリアプランの育成システムの整備で業績及び雇用を拡大。また、ICT推進による事業の効率化の達成ならびに生産性の向上に取り組む。橘 悦二 (たちばな えつじ)ティグレグループ代表

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