Plusone No.623
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これからも変わらずにありのままのわたしで思いもあったが「■園を知らない人にもふらっと寄ってもらえる場を作りたかった」。テラスのスペースを生かしたイベントも企画した。季節ごとに桜やススキを飾り、津軽三味線、二胡などのライブを催す。芸舞妓さんを招いて楽しいイベントも開いている。また、一見の客には来店客とのつながりの中からおすすめのいろいろな■園の店を紹介すること多々あるという。「大好きな■園を安心して、安全に楽しんでほしい」という一心からだ。昨年来のコロナ禍では店を休まざるを得ない状況が続いたががむしゃらに走り続けてきた曽我さんにとっては「こんなに働かへん日が続くことなんてなかったから不思議な感じ」と不安をにじませながら、14年間も、良いひと休みの時間にもなっているようだ。休業した当初、郵便受けの中に一通の封書を見つけた。名古屋から京都に来た際、一度店を訪れたという男性客からで、感謝の言葉がつづられた手紙とともにお金が包まれていた。「ひつじを思ってくださるお客さんがいてくださると思うとほんまにありがたいなって。お店を続けたくても続けられない人もおられる中で、こうしてなんとか続けられているということは生かされているんやなと」としみじみ語る。「■園で生きていくことがわたしの天職」と言ってはばからない。「プライドは高くて最初は入りにくいんやけど、いざ入ったらとことん濃密にかかわる。そんな■園町の人との距離感が私の性に合っているんやと思う」。「ありのままの変わらないわたし」でいられる■園だから、コロナ後に店を再開した後も気負うことなく普通でありたいという。任せるスタッフが育ち、なにより17歳の時に産んだ息子も今では店のマネージャーとして支えてくれている。「お客さまのお相手は一番難しいけれど、一番楽しい。だからやめられへん」と明るく笑う。「■園町(ぎおんまち)に生きて■園町で死ぬつもり」。そうつぶやく曽我さんの言葉に、人に育てられてきた■園とともに生きる覚悟をみた。落ち着いた佇まいを見せる店の入口27〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側347祇園楽宴小路内1F ■をん ひつじカフェTEL:075-551-1567月~木 15:00~24:00、金 15:00~25:00、土 12:00~25:00/日祝定休 ※季節によって、日曜・祝日も営業いたしますのでお問い合わせください。2F ■をん ひつじTEL:075-551-6055FAX:075-551-156718:00~AM0:00/日祝休みおばんざいとお酒を出す2階はカウンター席が中心だ様々なライブイベントを催す2階のテラス席■をん ひつじ

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